求人サイトがパブリッククラウド採用に踏み切った理由:パブリッククラウド導入成功事例
「パフォーマンス」「拡張性」「ゼロダウンタイム」が選定基準の英求人サイトで、クラウドが自然な答えになった理由を探る。
Totaljobs.comをはじめ英国内で複数の求人サイトを運営する人材あっせん企業のTotaljobs Groupは、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft SharePoint、Office 365などのパブリッククラウドサービスを使って強固なITインフラストラクチャを構築し、パフォーマンスとアジリティ(敏しょう性)を高めている。
注:本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年5月15日号」(PDF:無償ダウンロード提供中)に掲載されている記事の抄訳版です。EPUB版およびKindle版も提供中です。
Totaljobs Groupは、2012年4月に英Reed Business Information(RBI)からヨーロッパ(本社はドイツ)のオンライン求人企業StepStoneに売却された際に、RBIのデータセンターから独自のインフラストラクチャへと移行した。このとき、Totaljobs Groupは独自のデータセンターを用意したりコロケーション施設サービスを利用するのではなく、パブリッククラウドサービスを利用することにした。
Totaljobs Groupのデータベースアーキテクト、エドワード・バッシー氏は、「RBIは既にパブリッククラウドのセキュリティと信頼性についてある程度デューデリジェンスを行っていて、ワークロードの一部にAWSを利用することにしていた」とその背景を話す。
そこで、Totaljobs GroupでもAWSを採用することにした。「セキュリティについてのデューデリジェンスが既に実施されていたので、後はAWSがTotaljobsのワークロードに対応できるかどうかと、Totaljobsのビジネス要件に適しているかどうかを調べるだけだった」(バッシー氏)からだ。
その後、TotaljobsのITチームはAWSを使用する計画をStepStoneに提示し、2012年11月にAWSの利用を開始した。バッシー氏によると、「StepStoneからは、クラウドへのワークロードの移行期間として7カ月が与えられた。現在、Totaljobs GroupのWebワークロードは全てAWSプラットフォームで実行されている」とのことだ。
セキュリティの懸念を払拭
求職者の個人情報や履歴書など、Totaljobs Groupが保持するデータの性質を考えると、データ保護とセキュリティが極めて重要だが、インハウスのITではなくパブリッククラウドを選択したのはなぜだろうか?
「セキュリティはデューデリジェンスの大きなポイントの1つだった。弊社では、外部の第三者によるセキュリティレビューも実施した」とバッシー氏は言う。
Totaljobs GroupはダブリンにあるAWSサイトを使用している。「データがアイルランドにあるので、(英国の)データ保護法を順守できる」(バッシー氏)ためだ。
また、AWSのセキュリティアクセスコントロールによる制限など、その他のセキュリティ対策も講じている。「以前のホスティング型ITよりも、パブリッククラウドの方が透過性が高いので、安心してデータを管理できる」とバッシー氏は説明する。
クラウドのセキュリティの懸念が払拭されたので、Totaljobs GroupのITチームはクラウドコンピューティングのビジネスユースケースを作成した。Totaljobs Groupのサイトでは、1日当たり約200万ページインプレッションがあり、20万件の応募を処理し、求職者と求人企業に450万通のメールを送信している。
バッシー氏によると「Totaljobs.comサイトのトラフィックがその多くを占める」ということだ。
ビジネス上のメリット
コストの削減だけが、パブリッククラウド採用の理由ではなかった。「焦点になったのは、コストの削減でもアウトソースでもない。機能性と、ビジネスの変化に素早く反応できる、敏しょうで対応力の高いITを構築することだった」
続きはComputer Weekly日本語版 2013年5月15日号にて
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