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IFRS任意適用要件が8月にも緩和、4000社が適用可能に
IFRSを任意適用するための要件の緩和を金融庁が決定。8月にも4000社が任意適用可能になる。IFRSを修正した「日本版IFRS」も2015年3月期決算から適用可能になる見込みだ。
金融庁は6月19日、企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議を開催し、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)を任意適用する要件の緩和や、日本版のIFRSを創設することを盛り込んだ報告書を決定した。任意適用要件は最短で8月にも緩和される見込みで、有価証券報告書を提出している4000社あまりの企業がIFRSを任意適用可能になる。また、日本版IFRSについては2015年3月期決算から適用できるようになる見込みだ。
報告書は「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」で同日の合同会議で承認された。
報告書はこれまでの合同会議で審議された内容が中心。会計基準をめぐる国際的な動向が変化する中で、日本が今後も影響力を維持するには「今後数年間がわが国にとって重要な期間になる」として、「まずは、IFRSの任意適用の積み上げを図ることが重要」と訴える。報告書ではそのための方針として「任意適用要件の緩和」「日本版IFRSの創設」「単体開示の簡素化」が挙げられている。
2つの要件を撤廃
任意適用については現在3つの要件がある。
- 上場していること
- IFRSによる連結財務諸表の適正性確保への取り組み・体制整備をしていること
- 国際的な財務活動または事業活動を行っていること
報告書では、「上場していること、国際的な財務活動・事業活動を行っていることという要件を撤廃したとしても、IFRSによる連結財務諸表の適正性への取り組み・体制整備という要件が充たされているのであれば、財務諸表の質が低下することはない」と指摘。「上場していること」「国際的な財務活動・事業活動」の撤廃を決めた。金融庁は近く内閣府令の改正案を示し、パブリックコメントにかける。早ければ8月にも決定し、公布・施行したい考えだ。「これにより、IFRSの任意適用が可能な企業数は大幅に増加することになる」(報告書)
あるべき形を示す「日本版IFRS」
日本版IFRS(エンドースメントIFRS、J-IFRSなどとも呼ぶ)の作成については、現在任意適用されているピュアなIFRSの他に、「あるべきIFRS」「わが国に適したIFRS」が必要と報告書は指摘。IFRSの基準を1つ1つ検討して、必要があれば一部基準を削除したり、修正するエンドースメントの仕組みを設けることでIFRSの任意適用を容易にする。また金融危機などの非常時に「わが国の事情に即した対応を取る道を残しておくことになるなど、わが国における柔軟な対応を確保する観点から有用」とする。
また、日本版IFRSは日本が考える「あるべきIFRS」だとして、「国際会計基準審議会(IASB)に対して意見発信を行っていく上でも有用」とする。
一方、日本版IFRSが作成されると、ピュアIFRS、日本基準、米国基準と4つの会計基準が日本の市場に併存することになる。比較可能性の低下や海外から見た場合の分かりにくさにつながるとの指摘がある。報告書ではこの指摘について「4基準の併存状態は、大きな収斂(しゅうれん)の流れの中での1つのステップと位置付けることが適切」と説明する。
IFRS基準の検討、修正作業については企業会計基準委員会(ASBJ)が担当する。その後に当局が指定する。エンドースメントする際の基準は以下が挙げられている。
- 会計基準の基本的な考え方
- 実務上の困難さ(作成コストが便益に合わないなど)
- 周辺制度との関連など(各種業規制などに関連して適用が困難または多大なコストを要する)
修正する項目が多くなると国際的にIFRSと認められない可能性があるため、「削除または修正する項目は国際的にも合理的に説明できる範囲に限定すべき」としている。ASBJの作業は1年程度かかる見込みで、日本版IFRSの適用は最短で2015年3月期決算からとみられている。
報告書ではその他、単体開示の簡素化についても記載されている。連結財務諸表が重視される中で、企業が金融商品取引法と会社法に基づく2つの単体財務諸表を作成するのは「二重の負担」として、簡素化が必要とする。具体的には金商法の単体財務諸表の内容を会社法に合わせることで企業の負担を減らす。
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