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【事例】ICカード/iPhoneを活用した救急医療連携、市立室蘭総合病院:北海道西胆振地域の救急医療・医療介護連携への展開
市立室蘭総合病院は2013年4月、救急医療における患者情報の共有基盤となる「救急医療連携システム」を運用開始。患者情報を保有するICカードを発行し、iPhoneを情報読み取り端末とする医療クラウドを構築した。
北海道の中央南部に位置する西胆振(いぶり)医療圏は、室蘭市、登別市、伊達市、豊浦町、壮瞥町、洞爺湖町の3市3町で構成される。同医療圏の人口は1999年の23万3000人から2008年には20万5000人になるなど減少を続けており、いずれの市町も2013年1月時点で高齢化率(65歳以上の高齢者が総人口に占める割合)が30%を超えている。
同医療圏の中核病院に位置付けられているのが、標榜診療科目21、病床数549床の市立室蘭総合病院だ。同病院は2008年、同じ室蘭市にある日鋼記念病院とともに災害拠点病院に指定された。また、2012年にハイケアユニット(高度治療室)を開設するなど、災害・救急医療を担うとともに周辺の医療機関と連携する地域における高度医療の提供を目指している。特に救急搬送については、西胆振医療圏の年間約8000件の3分の1を、室蘭市のほぼ半数(47.8%)を同病院が対応している。
市立室蘭総合病院は2013年4月、救急対応の迅速化、医療機関と救急センター、消防署など関係機関の連携強化を目的とする、救急医療における患者情報の共有基盤「救急医療連携システム」を運用開始した。本稿ではその概要を紹介する。
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