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消費税改正対応は6カ月以内に終わらせなさい:経過措置だけではない対応ポイント
税率アップの半年前になっても議論が続いている消費税。企業はどのような姿勢で取り組めばいいのか。歴史を振り返ることで見えてくる消費税対応のポイントを、公認会計士の岩谷誠治氏に聞いた。
消費税の税率を2014年4月に現在の5%から8%へ上げられるのか――改正消費税法は既に成立しているものの、政治家の間ではその実施を巡って議論が続いている。消費税法は歴史的に政治に翻弄されてきた。消費税に詳しい公認会計士の岩谷誠治氏は、消費税法の歴史を踏まえて「最低6カ月で改修できるような業務やシステムの仕組みを作るのが今回の消費税改正への対応ポイントだ」と話す。その意味を聞いた。
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岩谷氏は2013年6月に書籍『消費税改正の要点とシステム対応』を出版した。消費税の基本から業務システム別の実務対応方法までを網羅した書籍で、経理部門やIT部門の読者に読まれている。岩谷氏は、「この書籍で特に強調したかったのは消費税法改正の歴史を振り返っているところ」と説明する。消費税が初めて導入されたのは1989年だが、それ以前にも1987年2月に売上税法案が提出されるなど議論は続いていた。売上税法案は世論や与党内からの反発で同年5月に廃案となった。その後、新たに国会に提出された消費税法案が成立したのは1988年12月。約半年に及ぶ混乱した議論の後だった。
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