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「インターネットの父」ヴィントン・サーフ氏が語るインターネット40年と未来「1973年当時は32ビットアドレスで十分だと思った」

インターネットの父であり、Googleのチーフインターネットエバンジェリストのヴィントン・サーフ氏に、ハッキング、プライバシー、IPアドレスなどの問題について話を聞いた。

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Computer Weekly

 1973年9月10日、ヴィントン・サーフ氏は英サセックス大学において、未来に大きな影響を及ぼすことになる研究を初めて公に発表した。現在のインターネットを形成する基になった研究だ。

 サセックス大学で開催されたINWG(国際ネットワーク作業部会)の特別会議において、サーフ氏は共同執筆者のロバート・カーン氏と共に、複数のネットワークを1つにまとめたネットワークでの通信方法についての文書「A Protocol for Packet Network Interconnection」(パケットネットワークの相互接続プロトコル)を配布した。

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 TCP/IPによって実現される、この“複数のネットワークから成るネットワーク”が、現在のインターネットである。それから40年がたとうとしている現在、インターネットプロトコルのTCP/IPが、現代社会のあらゆる領域にどれほど深く浸透しているかは測り知れない。そして、このトレンドは、さまざまな機器がネットワークに接続された「モノのインターネット(Internet of Things)」という形で、驚異的な規模でさらに拡大しつつある。

IPアドレスの枯渇

 「私が心配しているのは、アドレス空間が32ビットであることだ。これでは43億個の終端しかサポートできない。1973年当時はそれで十分だと思ったが、2011年にもともとのインターネットアドレスの在庫は枯渇した」とサーフ氏は話す。では、なぜ、1998年にIETFが128ビットのインターネットアドレス空間を採用して43億個から340澗個(340兆の1兆倍の1兆倍)の端末をカバーできるほど拡張されたのに、インターネットはIPv6に移行していないのか? 「IPv6は普及していない」というのがサーフ氏の答えだ。IPv6対応のソフトウェアはOSやルータにインストールされているが、「ISPがIPv6の対応に消極的だ。インターネットアドレス空間を拡張する手段はIPv6以外にないため、これは絶えず問題になっている」とサーフ氏は説明する。

 サーフ氏は、ネットワークアドレス変換(NAT)は、インターネットアドレスを便宜的に増やす手段でしかなく、「NATは構造的にもろい」とする。1000万個程度のアドレスが割り当てられている通信事業者は、NAT以外に拡張できる手段がないのでNATを使い続けているが、サーフ氏に言わせれば、やはりNATは適切なソリューリョンではない。「なぜNATが使われたかは理解できる。しかし、NATによってアドレスをカスケードするのは、確実に大惨事を招く。われわれはIPv6に移行するよう精力的にロビー活動をしていて、成果も出ているが、なかなか先に進まない」

グローバリゼーション

 インターネットのグローバリゼーションに関しては、ユーザーが問題を感じる可能性をサーフ氏は指摘する。ICANNはトップレベルドメイン名(TLD)と国際化ドメイン名を拡張している。ラテン文字セットだけでは、母語を表現できないユーザーもいるからだ。プロセスに時間はかかったが、TDLは大幅に拡張され、300種類から2300種類になった。これはよい動向のはずだが、サーフ氏は次のように話す。「TLD拡大の副作用は、どのTLDを使えばよいかユーザーが分からないことだ。そのため、検索エンジンに頼ることになる」。つまり、現在Googleのチーフインターネットエバンジェリストであるサーフ氏のビジネスにとってはTLDの拡大は歓迎されるが、ユーザーにとっては手放しで便利だとはいえない可能性がある。

国家支援のハッキングとセキュリティ

 インターネットの父へのインタビューで、プライバシーとセキュリティの話をしないわけにはいかない。サーフ氏は一連のPRISMスキャンダルなどをどう見ているのか?

続きはComputer Weekly日本語版 2013年9月25日号にて

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