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ユーザー調査で分かった“オレオレクラウド”の弊害:クラウド利用、ビジネスの傾向を分析
ユーザー企業の9割が自社のシステムのどこかにクラウドを利用している一方で、「クラウドとは何か」という認識は大きく揺らいでいる。
クラウドコンピューティングはIT運用形態の選択肢の1つとして確立されつつある一方、混乱も依然として残り、チャネルパートナーは全面的にクラウド向けのビジネスモデルに転換しきれない部分がある――CompTIA(国際IT業界団体)の年次調査「クラウドコンピューティングのトレンド(Trends in Cloud Computing)」では、こう分析された。2013年で4回目となるこのCompTIAの年次調査の報告書は2013年8月に公表された。
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CompTIAの調査は、ITプロ、実務の専門職、ITチャネル企業の従業員を対象に行われ、約900件の回答が集まった。調査結果から、クラウド利用の傾向が幾つか指摘されている。クラウドをベースとした社内ITシステムを運用する新興企業が増えており、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Software as a Service)、IaaS(Software as a Service)の3つのクラウドモデルへの依存度が高まっている。
形式を問わず、自社システムのどこかで現在クラウドを利用しているかという問いに対して「はい」と答えた企業は、2013年の調査では実に90%に上る。2012年の調査では80%だった。
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