激増するビッグデータ用データに苦慮するユーザーたち:Computer Weekly製品導入ガイド
ビッグデータ分析では、バックエンドインフラをアプリケーションのニーズに合わせる従来型のアプローチを改める必要がある。
従来のやり方で構築したストレージインフラは、大規模なリアルタイムデータセットの分析には全く適さないかもしれない。エンタープライズストレージは、アプリケーションに大きな重点が置かれることもある。IT部門は、トランザクションシステム用のSAN(Storage Area Network)やファイル保存用のNAS(Network Attached Storage)を導入している。企業は一般的に、まずアプリケーションのことを考えるため、バックエンドストレージはその次になる。
だが、大量のデータを扱うビッグデータの場合、それとは違ったアプローチが必要になる。Ovumの上級アナリスト、ティム・スタマーズ氏は「顧客に何を売るべきかについて、業界にははっきりしたコンセンサスがない」と指摘する。一部のサプライヤーはオブジェクトストレージやクラスタ化した拡張型のNAS、あるいはブロックレベルSANを売り込んでおり、「いずれも独自のメリットはあるが、全ては環境次第だ」と同氏は言う。
サプライヤーはビッグデータアプライアンスにストレージを統合して売り込んでいる。これによってパフォーマンスは向上しても、データの共有が必要な場合は問題が生じるかもしれない。
Hadoopのためのストレージ
Googleのアルゴリズム「MapReduce」のオープンソースインプリメンテーションである「Apache Hadoop」は、トランザクションシステムの運用に使われるリレーショナルデータベースを介したデータ処理に関して、異なるアプローチを取っている。
Hadoopは、並列処理の実行によってデータを処理する。データは大型コンピュータクラスタの中で複数のノードに分散され、多数の低コストコンピュータノードを使ってビッグデータを分析できる。このクラスタは社内に置くことも、例えばAmazonなどのクラウドに置くことも可能だ。
Gartnerの調査ディレクター、ジー・ザング氏は次のように解説する。
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