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Windows Server 2012 R2とVMware、ハイブリッドクラウド向け機能が主戦場両社の矛盾するコスト試算

MicrosoftのサーバOS新版がリリースされた。パブリック/プライベートクラウド展開戦略の見直しをCIOに提案したい。

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Computer Weekly

 米MicrosoftのサーバOS「Windows Server 2012 R2」がリリースされたが、アップグレードすべきだろうか?

 MicrosoftはWindows Server 2012 R2を、企業がプライベートおよびパブリッククラウドを運用できるOSと位置付けている。Windows Server 2012 R2におけるMicrosoftの狙いは、オンプレミス、プライベートクラウド、Windows Azureクラウドのいずれでも、簡単にアプリケーションを展開できるようにすることだ。これは、プライベートクラウド分野でVMwareに対抗し、Windows Azureによるパブリッククラウドプラットフォームを訴求するMicrosoftにとって、大きな一歩を意味する。

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本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年12月4日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

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 Windows Server 2012 R2では、Windows Azureと同じバージョンのHyper-V(Microsoftのハイパーバイザーソフトウェア)を採用しているため、インハウスのWindowsサーバとWindows Azureのクラウド展開の間で高い一貫性を確保できる。

 Microsoftのクラウド&エンタープライズ担当エグゼクティブ バイスプレジデントのサトヤ・ナデラ氏は、「一貫性を保ちつつ企業独自のクラウドを構築し、クラウドの境界を気にせずスムーズに移行でき、企業独自のクラウドとパブリッククラウドを併用できるハイブリッドソリューションを提供する」とブログに記している。

 Windows Server 2013 R2は、SDN(Software Defined Networking)とSSD向けに最適化されたストレージ仮想化もサポートする。また、サイト間VPN、ネットワークアドレス変換(NAT)、転送を処理するInbox HNV(Hyper-V Network Virtualization) Gatewayという機能も追加されている。これはSystem Center Virtual Machine Managerと統合し、管理の利便性が図られている。

 その他に、高速なSSDと従来のHDDの併用を実現するストレージ層も導入された。この2種類のストレージの層をまたいで仮想ディスクを構成でき、用途に応じてSSDとHDD間でデータを移動できる。

ストレージの強化

 Gartnerのアナリスト、グンナー・バーガー氏によると、Microsoftのストレージ関連の変更は、デスクトップ仮想化のコスト低減の布石になり得るという。

 同氏は、「ストレージの強化はWindows Server 2012 R2のウリの1つで、個人的には非常に歓迎すべきことだと思う。ストレージのコストは下がる必要があり、ストレージコストが大幅に下がってほしいと、私は以前から大々的に公言している」と記している。

 「仮想インフラのワークロードのストレージコストを、1ユーザー当たり100ドル未満にするのが私のミッションだ。Windows Server 2012 R2でのこれら(ストレージ関連)の変更は、このミッション実現の布石になる」

 CIOにとって選択肢は、Microsoftを信じて物理データセンター、プライベートクラウド、パブリッククラウド間のギャップのないシステム構築を図るか、VMwareベースのプライベートクラウドをVMwareのハイブリッドクラウドサービス(VMwareはVMworld Europe 2013において、ハイブリッドvSphereクラウドのβプログラムを発表している)を利用して拡張するかのいずれかだ。

ハイパーバイザーの選択肢

 VMworld Europe 2013の基調講演において、VMwereのパット・ゲルシンガーCEOは、「(vSphere)ハイブリッドクラウドは、エンタープライズデータセンターと顧客の既存のインフラの延長線上にあり、共通のビューでネットワークを参照できる。早期導入プログラムには、100社が参加している」と述べている。

 ゲルシンガー氏は、VMwareだけのセールスポイントとして、プライベートクラウドとハイブリッドクラウドの基盤のインフラが同じであることを挙げている。

 一方Microsoftは、仮想マシン市場のリーダーではないかもしれないが、既存のWindowsサーバインフラをプライベートクラウドまたはWindows Azureのパブリッククラウドに必要に応じて移行できるというアプローチを取っている。

 VMwareでサーバ仮想化している組織が多いため、vSphereを使い続けるか、Windows Server 2012 R2でHyper-Vを導入するかは、費用とソフトウェアライセンスの問題になる。各社の試算は以下の通りだ。

続きはComputer Weekly日本語版 2013年12月4日号にて

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