端末としての成熟が必要
期待外れ? スマートウオッチ「GALAXY Gear」が“不発”だったワケ
韓国Samsungのウェアラブルデバイス「GALAXY Gear」は大きな注目を集めた一方で、市場の反応は厳しい。利用条件や価格、機能面など、改善すべき点は多い。だが、スマートウオッチの可能性を判断するのは時期尚早だ。
これまでのところ、韓国Samsungの「GALAXY Gear」(以下、Gear)に代表されるウェアラブルデバイスは、熱意のない歓迎と辛らつな評価しか得ていない。だが、こうした第1世代のスマートウオッチが、市場から引導を渡されたとみるのは早計だ。
先駆者の苦悩を味わう現行製品
米Appleの「iWatch」開発のうわさが浮上したとき、一体どのようなデバイスなのか、誰も正確には知らなかった。しかし、消費者はその新しい技術に期待を膨らませた。考えてみれば、過去1年半の間、スマートフォンやタブレットはただ単に漸次的な改良を加えられてきただけだ。iWatchはまだ登場していないが、他のウェアラブルデバイスは米Pebble Technologyや米BASIS Scienceから、またGALAXY Gearの名前でSamsungから発売された。
スマートウオッチの主な狙いは、ユーザーがポケットの中にスマートフォンを入れたまま、腕時計から通知や電子メールのチェックなど、簡単なタスクを実行するといった利用方法だ。実に便利そうではないか? ところが、Gearなどに対する評価はあまり芳しいものではなく、販売も低迷している。これらのスマートウオッチは新しいフォームファクタを生み出したものの、初めて市場投入された製品としての苦悩を味わっている。次世代のスマートウオッチは、こうした現行製品の失敗から多くを学ぶことになるだろう。
Gearの利用には条件がある。この製品を使いたければ、互換性のあるスマートフォンを持たなければならない。現在、Gearと互換性があるのは、「GALAXY Note 2/3」「GALAXY S3/S4」「GALAXY Note 10.1(2014 Edition)」のSamsung製品に限られる。筆者自身、Gearの価値は十分に認めるが、Bluetooth接続でスマートフォンに依存するよりも、Gearそのものにある程度、独自の機能を持たせた方がよいのではないかと考える。
スマートフォンは従来の腕時計を葬り去った。もはや多くの人々は、腕時計を持っていても、見ることもなければ、身に着けることもない。時間は、スマートフォンやコンピュータなど他のデバイスで確認するようになったからだ。一部の人々にとって、スマートウオッチは機能面でスマートフォンと重複する。また、腕時計自体もスマートフォンの登場で人気がなくなっている。
製品、機能としての洗練が必要
スマートウオッチの発想は特に新しいものではない。Gearにしても全く新しい技術が用いられているわけではない。ホログラムやゲーム用の新しいコンポーネント、あるいは医薬品の服用管理などの新技術が登場して初めて、Gearはマストアイテムになっていくだろう。
端末価格はスマートウオッチの普及を阻む要因の1つだ。Gearの価格設定は、スマートフォンの既存機能を提供する端末としては高過ぎるのである。簡単なタスクであればわざわざポケットからスマートフォンを取りださなくてすむという利便性はある。だが、多くの人にとって、300ドル近くの価格がそれに値するものではない。
その他の面ではどうだろうか。ユーザーは恐らく、その見た目が好きではないはずだ。このデバイスの通知機能はうまく働かないし、アプリケーションも十分にそろっていない。だが、これによってウェアラブルデバイスの活用が頓挫すると結論付けるのは時期尚早である。特に、一部の業界に従事する人々にとっては、実用的なアプリケーションを提供できる可能性を秘めている。例えば、医療従事者は、携帯電話を取り出さなくても、リアルタイムに通知メッセージを受け取れるようになるだろう。
スマートウオッチが将来有望なプラットフォームであることに間違いはない。ただし、このデバイスを革新的で便利にするアプリがもっと必要だ。こうしたデバイスの“第2の波”を迎える際には、恐らくより多くの消費者にとって、その価格に十分納得できるものになるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
8
積水化学工業が「SAP S/4HANA Cloud」の“全グループ導入”に踏み切った訳
-
9
データセンター事業者が「脱VMware」をした“例のライセンス問題”じゃない理由
-
10
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー