ITプロ1700人以上に調査
転職したがるアプリ開発者、理由は給与か出世か
2013年のアプリケーション設計者/開発者の給与は、基本給はITプロフェッショナル全体の平均を上回るが、ボーナスは全体平均を下回っていることが、最近の調査で分かった。転職希望者も多かった。
米TechTargetが米国で実施したIT給与調査2013(TechTarget 2013 IT Salary and Careers Survey)によると、アプリケーション設計/開発職にある回答者の平均の基本給は、ITプロフェッショナル(以下、ITプロ)全体の平均と比べて約2000ドル多かったが、ボーナスの平均はアプリケーション設計者/開発者の方が約3700ドル低かった。
恐らくそれが理由だろうが、本調査では、アプリケーション設計者/開発者の方がITプロ全体と比べて、現職に対する不満がやや高い傾向にあることが分かった。一方、2014年の見通しについては、ITプロ全体よりもわずかながら明るく捉えているという結果になった。
アプリケーション設計者/開発者:プロファイル
この調査は2013年10月~11月にオンラインで実施され、米国とカナダのITプロ1700人以上が参加した。そのうち主にアプリケーションの設計/開発業務に従事している人は394人。この記事ではこのグループの回答を詳しく見ていく。
アプリケーションの設計/開発に携わる回答者の役職・職種は、上級IT役員(27%)、プログラマーまたは開発者(23%)、IT管理者(16%)、プロジェクト管理者(10%)、ITスタッフ(9%)と多岐にわたっている。残りの回答者の大半はその他のIT関連職で、「非IT関連の会社役員またはビジネス部門の役員」はわずか1%だった。
アプリケーション設計/開発職の回答者の主な勤務先は、IT関連サービスまたはコンサルティング(15%)、医療/ヘルスケア/医薬/バイオテクノロジー(15%)、金融/銀行(10%)、政府機関(8%)、IT以外の製造業(8%)で、残りは他のさまざまな業界に分散している。また、アプリケーション設計/開発職の回答者の62%は、年間収入が5億ドル未満の中堅・中小企業に勤務している。
調査に参加したアプリケーション設計者/開発者の大半は、中堅層のプロフェッショナルで、IT関連業務の経験が10年未満と答えたのは16%にすぎず、11~20年の経験があるとした回答者は40%、21~30年は31%。残りの13%はこの分野で30年を超えるキャリアを持つ。
ただし、回答者の多くが転職を重ねている。約60%は現職の在勤期間が5年未満であり、6~10年は25%、11~20年は13%。20年以上同じ職に就いていると回答したのは、2%しかいない。
成功の基準:プロジェクト完了、目標の達成
アプリケーション設計者/開発者に仕事の成功を判断する基準としてトップ3をたずねた結果は次の通り。
| 予定通りにプロジェクトを完了 | 56% |
|---|---|
| ビジネス目標または事業成果の達成に貢献 | 47% |
| 生産性の目標を達成 | 40% |
| ITサービスの信頼性を確保 | 33% |
| 製品/サービスの提供を改善 | 32% |
最も重要な判断基準として「イノベーションと創造性の促進」を挙げたのは、28%にすぎなかった。その他に成功を判断する主要な指標として、「プロジェクト/製品・サービスの購入におけるROI(投資収益率)の達成」が16%、「予算内に収める」が14%、「新しいビジネス機会の創出」が9%となっている。
このグループの回答者が最も長く時間を費やしている業務はというと、当然ながら、アプリケーションの開発および設計が断トツ(100%)で、2位のアプリケーション管理(38%)、3位のIT管理(28%)を大きく引き離している(複数回答あり)。ITプロ全体では、IT管理、アプリケーション開発、セキュリティが、最も関心の高い領域だった。
給与:総じて良好
給与について、アプリケーション設計者/開発者と他のITプロとはほぼ同じだが、基本給ではITプロ全体の平均をやや上回っているのに対し、ボーナスの額はITプロ全体よりもかなり低い結果になった。
調査に参加したアプリケーション設計者/開発者の基本給の平均は10万7074ドル、ITプロ全体の平均は約10万5000ドル。基本給と能力給を合わせた給与総額を見ると、アプリケーション設計者/開発者の平均は11万7166ドルで、ITプロ全体の平均11万7000ドルとほぼ同じだ。
アプリケーション設計者/開発者の55%は2013年に昇給しているが、これはITプロ全体でも同じだ。昇給率は、アプリケーション設計者/開発者の場合、基本給の5%で、ITプロ全体の5.5%をわずかに下回っている。また、回答者のぴったり50%が2014年に昇給を見込んでおり、これもITプロ全体と同じである。2013年に減給に見舞われたのはわずか4%で、2014年に給与カットを予想しているのはたったの1%だった。
2013年に何らかのボーナスが支給されたアプリケーション設計者/開発者の割合は35%で、33%のITプロ全体よりもわずかに高かった。
ただし、実際のボーナス支給額は他のITプロを下回っている。アプリケーション設計者/開発者のボーナスの平均額は1万3866ドルで、ITプロ全体の平均1万7630ドルより約3700ドル低い。
米西海岸のあるシステム管理者は、このグループに含まれる幸運な回答者の1人だ。このシステム管理者(勤務先および氏名非公開)は、調査終了後のインタビューにおいて、「先日、私にボーナスが支給されると連絡があって驚いた。他の社員には(ボーナスは)支給されない。これが問題にならないといいが」とコメントしている。
また、ITプロ全体でも、アプリケーション開発のグループでも、回答者の大半は、2014年はボーナスの支給はないと見ている。2014年にボーナスの支給を見込んでいると回答したアプリケーション開発職は20%、ITプロ全体では18%にとどまっている。
現職の満足度:平均をやや下回る
本調査結果によると、アプリケーション設計者/開発者は、ITプロ全体と比較して、現職への不満がやや高いようだ。
回答者全体では、現職に満足していて現職にとどまるとしたのは21%、「転職については新しい機会があれば検討するが、積極的には活動をしていない」と回答したのは43%だった。
それに対して、アプリケーション設計者/開発者では、現職に満足しており現在のポジションにとどまると回答したのは19%のみ。新しい機会があれば転職を検討するとしたのは、全体と同じく43%だった。
どちらの場合も、残りの回答者の大半は、積極的に転職活動をしているか、活動を始めようとしているところで、社内での異動を考えているのは少数だ。
2014年の見通し:楽観的
全体的には、アプリケーション設計者/開発者の方が、回答者全体と比べてやや楽観的な結果となった。
ITプロ全体で見ると、2013年と比べて2014年の見通しは「明るい」と回答したのは38%で、「暗い」としたのは30%だった。残りの32%は、「どちらでもない」と回答している。
一方、アプリケーション設計者/開発者の場合、2013年に比べて2014年の見通しは「明るい」と回答したのは42%。見通しは「暗い」との回答は28%、「どちらでもない」が31%だった。
アプリケーション設計者/開発者は、この「明るい」見通しの根拠として、次の要因を挙げている。
| イノベーションが推進されている | 60% |
|---|---|
| 会社の景気が良くなってきている | 42% |
| 経営陣が強い | 30% |
| IT予算が増えている | 22% |
| 昇進が組織の優先事項の1つになっている | 18% |
| 研修が増えている | 13% |
| 外注していた業務が社内に戻ってきている | 7% |
一方、2014年の見通しを「暗い」とした回答者が挙げた要因は次の通りだ。
| 昇進のチャンスが限られている | 53% |
|---|---|
| 経営陣が無能 | 42% |
| IT予算の削減が続いている | 30% |
| アウトソーシング(外注)が進んでいる | 23% |
| 研修が少ない | 19% |
| 不景気から脱していない | 19% |
| イノベーションの余地がほとんどない | 9% |
アプリケーション設計者/開発者のグループに、2014年に最も力を入れるプロジェクト分野を尋ねた質問では、当然ながら「アプリケーションの開発と設計」がトップだった。他の優先分野は次の通り。
| モバイルテクノロジー | 30% |
|---|---|
| ビジネスインテリジェンス | 26% |
| アプリケーション管理 | 21% |
| ビジネスプロセス管理 | 19% |
| クラウドコンピューティング | 17% |
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