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AmazonがMicrosoft化している5つの兆候Amazonは強くなり過ぎた?

Microsoftはかつて、独占企業として競合企業の敵意を集めていた。今、かつてのMicrosoftのように市場を独占して警戒される存在になりつつあるのがAmazonだ。

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Computer Weekly

 米Amazonは、この10年間に何度もビジネス界の変革を起こしてきた、数少ない企業の1つだ。歩合制の委託売買業務や出版業界に革命を起こした電子書籍リーダーの開発など、同社は常に既存市場の破壊を狙った施策を実行してきた。

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 流通業界に革命を起こしたことだけでも称賛に値するが、そればかりではなく、ストレージや演算パワーをサービスとして広く一般に提供したことは、創設者ジェフ・ベゾス氏の見事な手腕の現れだ。現在、多くの有名企業がITインフラのバックボーンとしてAWSのS3とEC2を利用している。

 そこでAmazonの事業戦略を詳しく分析すると、1990年代半ばの米Microsoftの戦略を思い出させる点が多い。両社のビジネスモデルは異なっているし、市場の動き方も当時と今では随分違う。それでも、かつてのMicrosoftに代わってAmazonが業界の現在の覇者であることを示す兆候が5つある。

1.クラウドの独占

 ソフトウェア業界の中でMicrosoftが脅威と見られていたのは、同社が一時期、何もかも独占するというアプローチを実践していたからだ。その線で考えるなら、AWSは間違いなくクラウド市場を独占している。Microsoftは(Webブラウザの)IEをWindowsの一部として搭載(バンドル)して普及させる戦略を取ったが、AWSは他社が太刀打ちできないほどの大幅な値下げと広範なサービスポートフォリオを提供することに重点を置いている。

 顧客はこの値下げを評価するかもしれないが、業界全体としては同社に支配されることを脅威に感じている。米Rackspaceの社長テイラー・ローズ氏はごく最近、AWSが業界を混乱させていると認めた。クラウド界の価格戦争の結果、Rackspaceは従来のビジネスモデルを捨て、マネージドクラウドのプロバイダーとして再出発することを余儀なくされた。Amazonがクラウド市場に参入する前から活動していて、上場もしていたRackspaceに対してAWSがこれほどの影響を与えたとすれば、従来のデータセンター、コロケーション、ホスティングサービスなどのプロバイダーに対するAmazonの影響がいかに大きかったか、想像に難くない。

2.Windows vs. Linuxの対決再び

 1990年代、ソフトウェア業界の企業は、Microsoftに対抗するときに利用できそうな武器はLinuxとオープンソースのソフトウェアぐらいだと認識していた。当時は、米IBMから米Oracleに至るまで、名だたる企業がこぞってLinuxを支持し、エンタープライズ向けシステムの世界で拡大を続けたWindowsの脅威に対抗したものだった。OpenOffice.orgやStarOfficeなどの施策で、Microsoft Officeに対抗しようと試みたこともあった。

 ひるがえって現在の状況を見ると、業界には昔と同じような不安が渦巻いている。業界のさまざまな立場の企業やユーザーがOpenStackを支持して、AWSの独占拡大を食い止めようとしている。OpenStackをAWSと比べたときの位置付けは、かつてのMicrosoftに対するLinuxの意味合いと共通するものがある。

 1990年代にLinuxが乗り越えてきた課題に、OpenStackは直面している。Linuxが公開された当初、あまりに複雑なため、市場の中でほんの一握りの人々にしか使いこなせなかった。それから10年以上たって、Red Hat Enterprise Linux、Ubuntu、SUSEなどのディストリビューションが普及したことでようやく、Linuxは企業でも利用できるものになった。OpenStackは急激なペースで進化を続けているものの、爆発的に普及するレベルにはまだ至っていないようだ。

 さらにクラウドに関しては、APIの標準化をめぐる議論もある。AWSをクラウドAPIの金科玉条として受け入れるかどうかに関しては、業界の中でも見解が分かれている。EucalyptusとCloudStackのAPIにはAWSとの互換性があるが、OpenStackはAPIに関してはAWSとは異なる独自の形式を採用している。これはODBCとJDBCをめぐる議論や、OpenXMLまたはOpenDocumentのどちらを標準とするかという議論と似た展開だ。

 オープンソースを支持する活動家たちは、AWSの閉鎖性をやゆして、このサービスを「ホテル・カリフォルニア」というあだ名で呼ぶ。

続きはComputer Weekly日本語版 9月17日号にて

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