コカ・コーラがミッションクリティカルシステムをクラウドに移行する理由:実務部門対策
米国最大のコカ・コーラボトラーが、ERPも含めたシステムの大半をクラウドに移行しようとしている。同社がクラウド移行を決断した理由とは?
飲料会社である米Coca-Cola Bottling Company Consolidated(CCBCC)のCIO、 オニエカ・ンチェゲ氏は現在、自社の基幹業務のワークロードをクラウドに移行させるタスクに取り組んでいる。
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2014年に英ロンドンで開催されたカンファレンス「Cloud World Forum 2014」の基調講演でンチェゲ氏は、「われわれは既に移行プロセスに着手している。一部の拠点で基幹業務をクラウドに移行して、運用も始めている」と参加者に対して報告した。「今後2〜5年で、基幹業務のアプリケーションはERPシステムを含めてその大半をクラウドに移す予定だ」(ンチェゲ氏)
ただしンチェゲ氏の戦略で、基幹業務のワークロードを稼働させるプラットフォームとして採用しているのはプライベートクラウドだ。
「当面はプライベートクラウド戦略を進めるが、3〜5年後にはパブリッククラウドサービスを大いに利用しようと考えている」。例えばンチェゲ氏は、メールサービスとして米MicrosoftのOffice 365の利用を検討中だ。「われわれの関連企業数社が既にOffice 365を利用しているので、当社でも採用することにした」とンチェゲ氏は話す。
そこでCCBCCは、Google、AWS、Microsoftなどパブリッククラウドのプロバイダーも同社案件の入札に招いたと、同氏は本誌Computer Weeklyに語る。
CCBCCは米国内で最大の独立系コカ・コーラボトラーで、清涼飲料水の製造、マーケティング、販売を展開している。売上高は約15億ドルだ。
現在同社はプライベートクラウド上で人事(HR)、勤怠管理、人材採用、調達などのシステムを運用している。
ンチェゲ氏の計画では、社内ITシステムの80%をクラウドに移行させる予定だ。クラウドコンピューティングの最大の利点は、ITシステムが簡略化できて管理も容易になることだと同氏は語る。
「実務部門のマネジャーたちはわれわれITチームに、(自部門用)ITサービスのカスタマイズを依頼してくる」とンチェゲ氏は明かす。「カスタマイズは複雑さを増すことにつながり、IT資産の堅牢性も損ねる。それにITチームが開発作業に時間を割くと、社内システムの停止時間も増えてしまう。そこで、標準化されたクラウドサービスを導入した。今後実務部門は、従来のように既存製品から(使いたいものを)選ぶのではなく、もともとの設計通りにオンデマンドでITサービスを利用して、アジャイル開発を自力で進めてもらう」
しかしそんなに大きくプロセスを変更して、実務部門から不満の声は上がらなかったのだろうか。
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