検索
特集/連載

「Windows 10」登場で認定資格も変更へ、今後の動きを予想する難易度は? 消える既存の資格は?

「Windows 10」および次期版の「Windows Server」が2015年に登場する見込みだ。Microsoft認定技術者たちは新たな資格に対する準備をそろそろ始める必要がありそうだ。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 2014年10月にリリースされた「Windows 10 Technical Preview」は、それ以降、数件のビルドが作られていると思われる。米MicrosoftのクライアントOSの最新バージョンとなるWindows 10では多数の変更が盛り込まれる予定だ。「Windows 8」で不評を買った部分を修正するための変更もあれば、Windowsの機能の拡張・改善やパフォーマンスとセキュリティの強化などを目的とした変更もある。

 Windows 8で起きたこと、そしてMicrosoftがソフトウェアのリリース方式および関連する認定資格の構成を全般的に変更したことを考えれば、Windowsのクライアント版に関連したMicrosoftの資格体系の今後の展開を予測する必要がありそうだ。Windows 10の一般向けリリースまでの半年から1年の間に何が登場(あるいは消滅)するのかを予測する際の基準として、まず現時点で明らかになっていることを確認してみよう。

 現行のクライアントに関連したWindows資格は以下の通り。

  • MCSA:Windows 8

試験番号70-687 Windows 8.1の構成

試験番号70-688 Windows 8.1の保守と管理

「MCSE:Enterprise Devices and Apps」へのアップグレードパス

  • MCSA:Windows 7

試験番号70-680 Windows 7、構成

試験番号70-685 Windows 7、エンタープライズデスクトップサポート技術者

「MCSA:Windows 8」または「MCSE」へのアップグレードパスは存在しない

  • MCSE:Enterprise Devices and Apps

「MCSA:Windows 8」が必須要件

試験番号70-695 Windowsデバイスとエンタープライズアプリケーションの導入

試験番号70-696 エンタープライズデバイス/アプリケーションの管理

注:“MCSA”は「Microsoft認定ソリューションアソシエイト」、“MCSE”は「Microsoft認定ソリューションエキスパート」

2015年8月にも対応資格が登場?

 MCSAではWindows 7からWindows 8へのアップグレードパスが用意されていないため、同資格保有者はなるべく早くWindows 8の資格を取得すべきだ。というのは、Windows 7のメインストリームサポートが2015年1月13日に終了し、それ以降は延長サポートの料金を支払った企業だけが、人気の高い(だが老朽化しつつある)同OSのサポートを受けることができるからだ(Windows 7の延長サポートも2020年1月14日に終了する)。また、2015年下半期にWindows 10が登場してから1年〜1年半以内に同OSに同様に移行するための準備としても、MCSA資格保有者はスキルと知識をWindows 8にアップグレードする必要があるだろう。クライアント版Windowsの直近の2つのバージョン(Windows 7とWindows 8)はいずれも、それぞれのリリース年の10月に登場した。情報筋によると、Windows 10の場合はそれよりも早く、8月か9月に登場する可能性があるという。

 Windows 10関連の資格体系についていえば、MCSAとMCSEの系列はWindows 8および8.1の系列とよく似た形になると予想される。Windows 8ではMicrosoft Learningのトレーニングコースと試験が完成するまでに同OSの出荷後1年以上もかかったが、Windows 10では、これらがもっと整理された形になることが望まれる。だがMicrosoftの最近のリリースペースが速くなっていることや、トレーニングコースと試験を最新のソフトウェアに合わせるのが難しいことなどを考えれば、今後の動向に十分注意する必要がある。とはいえMicrosoft Learningのブログは、試験の変更予定とその適用時期を受験予定者に適宜通知しているため、最新状況を把握するための情報源として同ブログが役立つだろう。

 「Windows 10 MCSA」資格では2つの試験が用意されるのは確実だ。1つはインストール、構成、配備に関する内容(Windows 8.1の70-687試験と同様)で、もう1つはサポート、保守、トラブルシューティングに関するもの(Windows 8.1の70-688試験と同様)になるとみられる。同様に、Windows 10の「Enterprise Devices and Apps」も2つの試験が用意されると予想される。1つはデバイスとアプリケーションのイメージ作成、セットアップ、構成および配備に関する内容(70-695試験と同様)で、もう1つはエンタープライズデバイス/アプリケーションの管理、保守、トラブルシューティングに関するもの(70-696試験と同様)だ。

 これらの試験の時期も興味深いものとなりそうだ。アップデートの頻度が低かった以前のWindowsバージョンでは、一般向けリリースから60〜90日以内に試験とカリキュラムの発表が行われていたが、Windows 8/8.1では修正が頻繁に行われたため、試験やカリキュラムのスケジュールが変になってしまった。私の予想では、MicrosoftはWindows 10では以前のスケジュールに戻し、OSのリリースと試験の日程をできるだけ近づけようとするものと思われる。2015年末までに、Windows 10 MCSA試験の第1弾の準備が完了し、それから3〜4カ月後にはMCSE試験が実施されることも十分に考えられる。

 新クライアントOSとなるWindows 10では、一般向けリリース後の早い時期に新しい資格体系が発表されることは間違いない。ただし、その時期は予測がつかない(Microsoftも予測できないだろう)。また、Windows 7の資格試験はWindows 10のリリースから1年以内に廃止されるものと予想される。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る