AWS移行で注意したい「レガシーアプリの存在を忘れるべからず」:6つの移行プロセス(2/2 ページ)
AWSへ移行する際には、きちんとしたロードマップを作成することで失敗を回避することができる。アプリケーションについて理解し、移行のメリットを特定することで、スムーズに移行できるようになるだろう。
AWSへの移行プロセスにおける6つの手順
移行が必要なコンポーネントを把握したら、移行プロセスには論理シーケンスがある。そう語るのは、米ボストンを拠点とするネットワークセキュリティポリシー管理プロバイダーのAlgoSecでCTOを務めるアビシャイ・ウール氏だ。
- アプリケーションが利用している全サーバとコードの接続先サーバを全て特定する。対象となるのは、コードを実行するサーバだけではない
- アプリケーションを使用する全てのクライアントとアプリケーションが配置されているネットワークセグメントを特定する
- AWSに移行するサーバを選ぶ。一部のサーバはデータセンターに残しておく必要がある
- 移行したサーバを複製してAWSインスタンスにコピーを配置したら、IPアドレスを複製に割り当てる
- サーバを再構成して、サーバピアが新しく選択したアドレスを参照する
- AWSのファイアウォールとデータセンターを取り囲む従来のファイアウォールを構成して、新しいIPアドレスを使用し、新しいネットワークパスを使用する全てのアプリケーションのフローを許可する
重大な結果を招く恐れのあるミスと落とし穴
AWSについて知識がない多くの企業は、インスタンスを選択して準備するときや必要なストレージの種類を選択するときにミスを犯す。あまり一般的ではないが、ネットワークについて考慮しないというミスは重大な結果を招く恐れがある。
「従量課金制モデルなら、プロビジョニングでミスを犯してもAWSの機能とツール群によって、かなり迅速に修正がなされる。だが、ネットワークに関するミスは移行とユーザーアクセスのプロセスを停止させる恐れがある」とウール氏は話す。
もう1つの重大な結果を招く恐れのあるミスは、オンデマンドインスタンスとリザーブドインスタンスのどちらを選択するかだ。「この種類のミスでコンピュータやパフォーマンスに問題が発生することはない。だが、多大なる経済的な影響を及ぼす可能性がある」と同氏はいう。
移行はオールオアナッシングのプロセスである必要はない。米Orchestratusで最高経営責任者(CEO)を務めるシュロモ・スウィドラー氏は次のように推奨する。「とにかく作業を開始して、ロードマップを用意し、ポートフォリオ評価を実施して最初に移行すべきアプリケーションを決定することだ。それから、各ステージ用に測定可能な基準を設けて移行の有無を判断されたい」
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