VDI活用を検討すべし
「Windows 10」へのユーザーの“勝手アップグレード”が大問題になる理由
多くの企業では、IT部門が移行準備を整える前に、ユーザーによって「Windows 10」移行が実行できてしまうだろう。VDIはその際、アプリケーションの互換性問題をはじめとした移行課題を解決するのに役立つ。
「Windows 10」が2015年7月29日に利用可能になると、IT部門が新OSをサポートする準備ができているか否かに関係なく、社員は無料アップグレードをできてしまうケースが考えられる。
Windows 10の無料アップグレードは、IT部門の準備が整う前にユーザーが実行できてしまう。その際に、VDI(仮想デスクトップ基盤)とその他の戦略は、アプリケーションの互換性問題やヘルプデスクへの問い合わせ増を未然に防ぐのに役立つ。企業は既に持っている複数のOSバージョンに加えてWindows 10を管理することなり、管理は複雑になる。
関連記事
Windows 10の機能を知る
Windows 10のデバイスについて
OS移行とVDIの記事
「幾つかのアプリケーションはWindows 10と互換性がなく、プログラムの書き換えが必要だろう」とビジネステクノロジーストラテジストであり、米Sageable LLCのトップであるアンディ・マン氏は言う。Sageable LLCは、テクノロジー戦略および分析を主とする企業である。
「ユーザーはハードウェアがスペック以下でもサポート対象外であってもアップグレードを試みる。そして必然的にその過程で重要なデータを失うだろう」とマン氏は続ける。
アプリケーションの互換性のためにWindows 7と古いバージョンのInternet Explorer(IE)に依存している企業にとって、「Windows 10は、問題をさらに悪化させる」とコシュト氏は続ける。
VDIが抑制するWindows 10のアップグレード問題
VDIおよびアプリケーションを使用することは、IT部門がBYODを管理するのに役立つ。また、このアプローチは「エンドユーザーによるOSとWebブラウザの選択をあまり重要でないものにする」とコシュ氏は言う。
VDIベンダーはこの事実から利益を得ることを望んでいる。Windows 10に対する米Citrix Systemsのサポートは、既にテクニカルプレビューで利用でき、Windows 10の発売日には「Citrix Receiver」「Citrix XenDesktop」「Citrix XenApp」「Citrix XenMobile」も含めて利用可能になる。
Citrixによれば、Citrixソリューションアドバイザーは無料でアプリケーション移行ソフトウェアの「AppDNA」も利用できるため、潜在的なアプリの互換性問題を即座に確認し対処することが可能だ。
「OSが一般に利用可能になる前に提供されるWindows 10のサポートは、移行期間中もIT部門がアプリケーションとデスクトップをユーザーに提供し続けることを可能にする」とコシュト氏は言う。
多くのソフトウェアプロバイダーと同様に、米VMwareの「VMware Horizon」と「AirWatch」は、Windows 10に対するゼロデイサポートを用意している。また、Horizon Clientソフトウェアも、ゼロデイサポートを用意しており、サーバのサポートは四半期の後半に利用可能になる予定だ。「AirWatchのゼロデイサポートは、年間を通して利用可能になる追加の管理機能でWindows 10デバイスの登録を可能にする」とVMwareのスポークスマンは言述べている。
仮想化ツールはその程度でしかない
「VDIとアプリケーション仮想化ツールは、Windows 10アップグレードに早期に取り組む企業の手助けとなる。しかし、非BYOD環境も含めると、これらのツールが解決することより問題は広く深い」とマン氏は述べる。
「IT部門は最終的に、ビジネスユーザーが自身でシステムをアップグレードするのを止めようとしても失敗に終わるだろう。しかしユーザーはどんな有能なシステム管理者よりも多くの問題に遭遇するだろう」とマン氏は言う。
「エンドユーザーのアプリケーションとOSを依然として支配しようとするIT部門は、アップグレードサイクルを使用してエンドユーザーコンピューティングモデルを見直したいのかもしれない。これは、モバイルへの移行と、ユーザーが望むテクノロジーを採用できるようにすることを意味している可能性もある。これにはBYODのサポートまたは「Microsoft Surface」や「Lenovo Yoga」といったハイブリッドデバイスの調査も含まれる」とマン氏は言う。ユーザーに彼ら自身のデバイスとOSを選択させることには、生産性を向上させるというビジネス上の利点がある。
OSのバージョン問題を減らすための他の方法としては、「Google Apps」「Office 365」といったクラウドベースのアプリケーションや、「Box」「Microsoft OneDrive」などのオンラインストレージへの移行がある。そこでは、最も手間が掛かる作業がクライアントの外で完了し、クリティカルなデータはユーザーからある程度分離され、互換性はサポートされる。「Webブラウザを実行するのと同じくらい簡単だ」とマン氏は続ける。
「IT部門は、Windowsの1つのバージョンを標準化するよう取り組むべきだ。そうでなければ、できる限り最新のバージョンを、数を絞って標準化すべきだ。これは互換性の問題とサポートへの問い合わせを最小に抑え、Windowsクライアントの管理と使用を単純化し、エンドユーザーのアップグレード要求を満足させるだろう」とマン氏は述べた。
マン氏によると、「その他のテクノロジー企業は、検索と構成管理ツールを含めて、社内全体に渡って現在と変化しているOSの配備を調査して分類整理するべきである」。
マン氏は言う「見えないものは管理できない」。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
3
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
4
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
ANAが専用回線から移行した「NaaS」の全貌 ネットワーク準備が数カ月から数週間に
-
7
「プログラマー不要論」にThe Linux Foundationが示した答え
-
8
VBAマクロ“原則ブロック”後に「Office」でマクロを実行する方法
-
9
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
10
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
10
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー