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ハイパーコンバージドの主要3製品比較: Nutanix vs. VMware vs. SimpliVityスケーラビリティはどれも十分(2/2 ページ)

米SimpliVityや米Nutanix、米VMwareのハイパーコンバージドインフラ製品は、購入前にリソース構成やスケーラビリティを理解する必要がある。

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VMwareの「EVO:RAIL」

 VMwareは仮想化の分野では、以前から多くの環境で製品が使われている大手ベンダーだ。同社のハイパーコンバージドインフラへのアプローチは、NutanixやSimpliVityとは異なっている。VMwareが手掛ける「EVO:RAIL」は、同社が自社ブランドのハードウェアとして販売しているわけではない。米Dellや米Hewlett-Packard(HP)、米Super Micro Computer(Supermicro)といったパートナーが、VMwareの仕様に基づいてハイパーコンバージドインフラパッケージとして販売している。

 EVO:RAILは、1つのクラスタを最大8台までのアプライアンスでスケールアウトし、合計32台のESXiベースの仮想ホストをサポートできる。

 1ノード当たりの構成は、Xeon E5プロセッサ(Ivy BridgeまたはHaswellベース)2個(12コア)、192Gバイトのメモリ、400GバイトのSSDと3.6TバイトのHDD、ネットワークは10GbE×2、1GbE×1(管理ポート)となっている。

Nutanix vs. VMware vs.SimpliVity

 3社はいずれも広範な機能をサポートしているが、各社の製品には考慮すべき違いがある。VMwareは広く知られている大手仮想化ベンダーだが、ハイパーコンバージドインフラ分野では比較的新顔で、EVO:RAILを発表したのは2014年のことだ。NutanixとSimpliVityは2009年設立で、ソフトウェア定義(Software Defined)のハイパーコンバージドアプライアンスの構築に特化してきた。

 本稿執筆時点で、VMwareはEVO:RAILで9社のハードウェアパートナーと組んでいる。これに対し、NutanixのパートナーはDellのみ。「パートナーのベンダーが1社だけなので、使いやすさと統合の質に集中的に取り組める」というのがNutanixの主張だ。IT部門はNutanixアプライアンスをDellから直接購入しており、これはDellの既存顧客にとって、ハイパーコンバージドインフラへの移行が効率的に進む可能性があるということだ。

 NutanixとSimpliVityの製品は、現時点でEVO:RAILにはない高度な機能も提供している。データの重複排除や圧縮/圧縮解除といった機能は、ストレージの必要容量やアプリケーションのパフォーマンスに大きな影響を与える。なお、米EMCが販売するEVO:RAILはストレージ管理機能を提供するが、他のEVO:RAILは提供しない。あなたの会社のデータ環境が高度な管理の恩恵を受けるなら、歴史の長いハイパーコンバージドインフラベンダーであるNutanixとSimpliVityや、競合他社の製品を詳しく調査するとよい。

 ハードウェアの観点で見ると、VMwareのEVO:RAIL、SimpliVityのOmniCube、NutanixのXtreme Computing Platformは、いずれも高いスケーラビリティを提供する。VMwareなどの仮想化プラットフォームは、物理リソースの割り当てと再割り当てを動的かつスムーズに行う機能が既に実証されている。それらを採用したこうした最新のハイパーコンバージドインフラ製品は、どのようなビジネス環境の要求も満たせそうだ。その威力から見ても、ほとんどのユーザーにとって3社の製品のスケーラビリティは、いずれも十二分だろう。

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