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仮想デスクトップ構築に失敗する5つの理由ストレージだけの問題ではない(2/2 ページ)

仮想デスクトップインフラ(VDI)の普及が進んでいるが、ストレージが原因でVDIプロジェクトが失敗に終わることもある。代表的な5つのパターンとその解決策を紹介する。

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パターン4:VDIシステムの課題の責任をストレージに押し付けるべからず

 VDIの支持者はあらゆる問題をストレージの責任にしがちだ。この状況は、VDIが開発され、VDIシステムをサポートするストレージが存在しなかった2006年から続いているとマッデン氏は話す。だが、VDI業界は発展したが、ストレージについて多くの問題に直面することになった。

 約8年前、ストレージはVDIから求められていたことに対応できなかった。今でこそストレージはVDIシステムの要求を満たすことができるが、VDIの信奉者からはいまだに非難されることがある。では、どうすればこの認識に対抗できるだろうか。それには仕様を使うことだ。VDIの顧客がユーザーごとに20 IOPSを要求していて、ストレージがそれを満たしているなら、役割は果たせている。理想的な操作性を提供することはできていないかもしれないが、要求された通りの設計になっている。ほとんどの場合、問題はストレージではなく、実際に必要なものを把握していないユーザーにある。

 「現在のストレージならVDIがストレージに求めるあらゆることに手ごろな価格で対応できる」(マッデン氏)

パターン5:VDIに必要なものを知る

 ユーザーは正確な価格を見積もろうとして、IOPSの平均数値を把握するために独自に数を算出したり、式で計算を行う傾向がある。だが、その平均を算出する対象となったのは、24時間なのか8時間の業務時間なのかという疑問をマッデン氏は投げ掛ける。1日で特に忙しい時間に通常より多くのIOPSを指定することはできないため、IOPSの最大数に対応できるように常時備えておく必要がある。分散および分配されたVDI環境の性質を踏まえると、顧客は各ユーザーが必要とするIOPSの数を把握していないことが多い。

 評価ツールは、ユーザーが必要とするIOPSの数を知る方法の1つだ。米Liquidware Labsの「Stratusphere FIT」などの製品では、1〜2カ月分のデータを収集し、ユーザーのVDI要件を把握することができる。ただし、このような製品を使用するには追加のコストが必要となるため、VDIの事前評価にコストを掛けることを渋ってツールに投資しない顧客もいる。定期的な健康管理を先延ばしにすると、将来的に大きな医療負担をもたらすことがある。それと同じように、最初からVDIに必要なものを把握していないと、先々で予想通りに機能しない環境に追加のコストを支払わざるを得ない状況に立たされるかもしれないとマッデン氏はいう。

 「ユーザーの“VDIに移行する前の環境”は何百台もの個別PCがベースになっている。何百台もの個別のHDDがそこかしこに分散した状態だ。そのため、顧客はVDIユーザーが必要とするIOPSの数をとにかく把握していないというのが現状だ」(マッデン氏)

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