生産性が向上せず効率化もしない、企業の間違ったIT導入の実態:社員は時間の40〜80%を無駄な業務に「浪費」
企業はITを導入し、業務のデジタル化を進めてきた。しかし、40年前は5%だった経済成長率は1%に低下している。これは、IT化、デジタル化を間違ったやり方で行ったからだ。
何十年もテクノロジーに投資してきたにもかかわらず、企業の生産性が向上しなくなっている。経営コンサルタント企業の米Boston Consulting Group(BCG)が行った調査で、デジタルテクノロジーを推進しているにもかかわらず、主要国経済の生産性が全体的に低下していることが明らかになった。
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BCGのピープル・オーガニゼーション・プラクティスのシニアパートナーを務めるイブ・モリュー氏によると、1970年代の経済大国上位15カ国は年間経済成長率5%を記録していたが、現在は1%に落ち込んでいるという。英国の経済成長率に至っては、2006年以降0%の横ばい状態だ。
BCGによると、この問題の根幹は企業がイノベーションテクノロジーを導入しても、それが企業内の他部門のイノベーションとつり合っていないことにあるという。
「新しい情報テクノロジーや通信テクノロジーを導入しても、組織の改革や連携がなければ、生産性への影響が期待に反するものになることは確実だ」とモリュー氏は指摘する。
現在の企業が行っている業務編成は40年前と何ら変わらない。だが、世の中ははるかに複雑になっていると、仏パリで開催された人事(HR)テクノロジーに関するカンファレンス「HR Tech World Congress」で、同氏は企業の代表者に向けて講演した。
複雑さを残したデジタル化
企業は業務をデジタル化し、その結果として最高デジタル責任者やデジタル専門家が急増している。
BCGの調査は、企業が効率化を進めたのではなく、複雑な業務をそのまま自動化しただけであることを示している。
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