コンテンツを楽しむことを追求したタブレット
徹底レビュー:「Amazon Fire HD 10」は低スペックが気にならない究極の“息抜き”端末?(1/3 ページ)
米Amazon.comの「Fire HD 10」が適切な価格で販売されれば、それに勝るタブレットはなかなかない。「簡単にネットに接続して暇をつぶせるものが欲しい」というユーザーにとっては特にそうだ。
米Amazon.comの「Fire」シリーズタブレットには、価格の安さ以外にもある種の魅力がある。米Appleや米Google、米Microsoftは、2-in-1設計やオフィスソフトウェアの機能により、タブレットとPCの境界を曖昧にしている。これに対してAmazonは、主にコンテンツ、とりわけAmazonコンテンツを楽しむためのタブレットにこだわっている。
当然のことながら、Amazonが業界最大といえるコンテンツライブラリ(無料製品を豊富に提供するアプリストアも含む)を持っていることは、Fireタブレットの利点になる。Amazonの「Fire OS」が、Amazonの電子書籍や「Amazonビデオ」で配信される映画、その他のコンテンツへの簡単なアクセスを考慮して設計されていることも利点だ。さらに、スクリーンシェアサービスを通じたAmazonの顧客サポートが素晴らしいことも大きな利点となっている。
TechTargetは以前のレビュー記事「徹底レビュー:安さで注目の「Amazon Fire」タブレット、5000円で買った人は満足できるか?」で、第5世代Amazonタブレットの別モデルに好評価を与えたが、それは端末の品質よりも50ドル(※1)という価格によるところが大きかった。今回取り上げる230ドル(※2)の大型モデル「Fire HD 10」はどうだろうか。詳しく見ていこう。
※1. 国内価格は8980円(Amazonプライム会員価格は4980円《税別、以下同じ》)
※2. 国内価格は2万9980円
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Amazon Fireとその競合
仕上がりとデザイン
アスペクト比から見て、Fire HD 10が映画鑑賞用に作られていることは疑いの余地がない。16対10というアスペクト比はまさに“映画風”で、より正方形に近い3対2や4対3といったアスペクト比とは目指すものが異なる。これらの比率はAppleの「iPad」の全モデルや最近のAndroidおよびWindowsタブレットに見られるものだ。
このアスペクト比により、Fire HD 10は長方形の端末となっている。サイズは262(幅)×159(高さ)×7.7(厚さ)ミリで、重さは432グラム。似たサイズのディスプレイを搭載するプレミアムタブレット(韓国Samsung Electronicsの「Galaxy Tab S 9.7」のような)よりも少し重く、厚いが、Fire HD 10と同じ価格帯の他のタブレットには引けをとらない。
Fire HD 10は全体がプラスチック製で、角や縁が丸みを帯びている。背面パネルが少したわむが、安っぽくはない。プラスチックはボディの素材としては評判が悪い。質感や見た目がアルミニウムやガラスに劣るからだ。だが、ガラスはひびが入ったり割れたりしやすく、アルミニウムは傷が付きやすい。プラスチックは軽く、丈夫で長持ちし、指紋が付かず、端末を落としてもある程度保護してくれる。プラスチック製であることは不満につながらないだろう。
横向き時で左側面上部に電源ボタン、Micro USB 2.0ポート、マイク、下部に3.5ミリステレオジャック、2つの音量ボタンが並ぶ。背面の右上隅に500万画素のメインカメラが配置されている。
長方形のタブレットは、より正方形に近いものよりも使いにくいことがあるが、Fire HD 10は軽いため、ユーザーを煩わせることはなさそうだ。筐体に光沢のあるプラスチックが採用されていることから、Fire HD 10は明るいところでは見栄えがするかもしれない。だが、質感のあるプラスチック製の場合よりもやや握りにくい。また、1~2回落としても大丈夫だろう(落下テストでは、Amazonが宣伝しているように、アルミニウム製のiPadを上回る成績を収めるのではないか)。しかし、タブレットの常として、保護ケースに入れて使うことをお勧めする。
ディスプレイとスピーカー
名前の通り、Fire HD 10は10.1型のIPS LCDディスプレイを搭載する。解像度は1280×800、画素密度は149ppiとなっている。
この画素密度は同クラスの他のタブレットと同様だが、フラッグシップモデル(260ppiを超えるものもある)と比べると低い。このレベルの画素密度では個々のピクセルを目で簡単に識別でき、こうしたディスプレイは鮮明さに欠ける。Fire HD 10のディスプレイ固有の特徴としては、メリハリがないことが挙げられる。色が生き生きとしておらず、コントラストも弱い。画像上の白抜きの文字や数字は見えにくいことが多い。このサイズのタブレットはどれもそうだが、映り込みの問題も付きまとう。要するに、良いディスプレイではないということだ。
公平に言えば、貧弱なタブレットディスプレイでも我慢することはできる。魅力的な映画やTV番組にいったん熱中したら、Fire HD 10の欠点はすぐに気にならなくなる。ただし、Fire HD 10と「Fire HD 8」、または「Fire HD 6」のいずれかを選択する際には、ディスプレイが検討材料になる。3モデルとも解像度は同じだが、Fire HD 10よりも他の2モデルの方が画素密度が高い(それぞれ189ppi、252ppi)。ディスプレイが小さいからだ。つまり、ディスプレイの大きい方がいいのか、画質が若干良い方がいいのかを選ぶことになる。正しい答えはなく、自分の好みが選択基準だ。
横向き時で下面の左右に配置されたスピーカーも平凡だが、これはタブレットではいつものことだ。スピーカーは十分使い物になる大きくクリアな音を出すが、大抵はヘッドフォンを使った方がよいだろう。
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