グラフ型データベース活用事例
1150万文書から関係性を洗い出せ――「パナマ文書」解析プロジェクトの舞台裏
1150万個のファイル(計2.6TB)からなる「パナマ文書」はどのように解析されたのか? 世界に衝撃をもたらした同文書解析の舞台裏を紹介する。
おびただしい量の「パナマ文書」を受け取ったジャーナリストたちがその解析に成功したのは、グラフ型データベースとデータ可視化ソフトウェアがあったからだった。
Computer Weekly日本語版 5月25日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 5月25日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
パナマの法律事務所Mossack Fonsecaからドイツの新聞社Seuddeutsche Zeitung(南ドイツ新聞)へ、1150万個のファイル、容量にして2.6TBのデータが送られた。その内容が2016年4月初旬に報道され、以来世界中で議論を巻き起こしている。米ワシントンD.C.に本部を置く「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)がこの、いわゆる“パナマ文書”の解析を進めており、BBCと『The Guardian』紙がその調査に加わっている。
ICIJがこの調査で使用しているのが、グラフ型データベース「Neo4j」(Neo Technology)と、グラフ型データベースに特化したデータの発見および可視化ソフトウェア「Linkurious」(Linkurious)だ。ICIJはパナマ文書プロジェクトに最新テクノロジーを結集し、他のメディア組織からの協力を得た。その結果、世界各国の要人と、彼らが税金逃れのために国外のタックスヘイブン(租税回避地)に開設した銀行口座との関係をあぶり出すことに成功した。
Neo TechnologyのCEOエミール・エイフレム氏は本誌Computer Weeklyのインタビューに答えて、「今回のような情報流出は、10年前でも起こり得た。だが、10年前では今回分かったような事実にたどり着くことはできなかっただろう」と語る。
エイフレム氏によると、2006年以降、GoogleやFacebookなど、 ビッグデータを操作するテクノロジーの開発に成功する企業がわずかながら現れるようになったという。Googleは2006年にデータストア「Bigtable」に関する論文を発表し、FacebookにはThe Guardian紙やBBCなどの各報道機関が最近採用している「データジャーナリズム」の核心となる分析処理を実行する能力があった。
2006年はまた、ビッグデータを扱うためのテクノロジーの1つである「Hadoop」をYahoo!が発明した年でもあったとエイフレム氏は指摘する。さらに米NSA(国家安全保障局)に相当する政府機関として、英国にはGCHQ(Government Communications Headquarters:政府通信本部)があるが、この組織もビッグデータの処理能力を持っていると同氏は付け加える。「当社はこのビッグデータ処理能力を民主化している。データの中から言葉を抽出するだけではなく、点と点をつなぎ合わせる機能も重要だ」
またエイフレム氏によると、 2015年に香港上海銀行(HSBC)の10万件の顧客情報が流出した際にも、Neo4jが活用されたという。「それにしても今回の情報流出は、重要度では人類史上前例がない」
ICIJのジャーナリストたちは、
- 法律上の婚姻関係にはないが同居している人々の関係
- マネーロンダリング目的が疑われる怪しい銀行口座とその所有者の具体的な結び付き
- その他の金融犯罪や軽微な違法行為など
を、Neo4jとLinkuriousを使うことで把握することができた。
ICIJのデータおよび調査ユニットでエディターを務めるマル・カブラ氏は次のように語る。
続きはComputer Weekly日本語版 5月25日号にて
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 5月11日号:新トランジスタで蘇るムーアの法則
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
ソフトウェア開発生産性向上に取り組む企業は4割 調査で学ぶ「停滞」の正体
-
3
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
4
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
5
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
6
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
9
2035年までに1億4500万台、急拡大する「フィジカルAI」市場の勝者は誰か
-
10
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー