エンタープライズソーシャルネットワークの変革
MicrosoftのLinkedIn買収は総じて歓迎ムード、でもユーザーの思いは微妙?(1/2 ページ)
MicrosoftのLinkedIn買収で見えてくるのは、将来のハイパーソーシャルなビジネス環境だ。それは従業員にとって朗報なのだろうか?
「LinkedInでつながってください。よろしくお願いいたします。」
この見慣れたつながり申請メッセージは、今回のニュースによって全く新しい意味を持とうとしている。
Microsoftが現金262億ドルもの巨額でLinkedInの買収を決めたことにより、エンタープライズソーシャルネットワークは、どこの職場であろうと仕事の中に組み込まれていくことになりそうだ。
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MIcrosoft Officeは「ソーシャル」の力でより進化する
「人々が職を探し、スキルを身に付け、セールスやマーケティングや職務を成し遂げ、最終的に成功に至るには、プロフェッショナル同士がつながり合う世界が必要だ」
MicrosoftのCEOであるサティア・ナデラ氏は、声明の中でこのように述べた。「それには、LinkedInのパブリックネットワークにあるプロフェッショナルの情報と『Office 365』および『Microsoft Dynamics』にある情報を統合する強力なネットワークが必要となる」
LinkedInの買収はSalesforceも検討していたようだが、Microsoftはそれをしのいで、LinkedInの4億3300万人分の登録会員データとコンテンツを手中に収めた。この巨大なネットワークを獲得することで、Microsoftは、ユーザーの行動と人脈に関する貴重な情報を「Microsoft Office」ソフトウェアスイートや、その他のビジネス製品に接続させることができる、とナデラ氏は述べている。そしてLinkedInはより業務と密接に結び付くものになるという。
「この2つを組み合わせることで、新しい体験が可能になる。進行中のプロジェクトに関連する記事をLinkedInのニュースフィードで提供したり、作業に役立ちそうな専門家とLinkedInでつながるようにOfficeから提案したりできるだろう」(ナデラ氏)
MicrosoftのLinkedIn買収に対する現時点の反応では、多少の懸念は残るものの、双方にとって有益になると受け止められている。米調査会社Constellation Researchの副社長兼主任アナリストであるアラン・レポフスキー氏の見解も同様だ。
同氏は電子メールで次のように述べた。「今回の買収は、よりよい働き方を支援するという両社の目的に合致していると考える。Microsoftはツールを作っているが、コンテンツのネットワークを持っていない。LinkedInは、プロフィールやグループ、近況更新、ニュースの他、「Lynda」「SlideShare」といった、教育や知識に関するコンテンツを持っている。この2社が一緒になれば、興味深いシナリオが生まれるだろう。ネイティブな機能として実現することで、他社製品間の統合より強力なものになる」
一方、米調査会社Forresterのダン・ビーラー氏の見方は懐疑的で、この2つの統合がうまくいかない可能性を指摘する。
「この買収が成立した場合、Microsoftはソーシャルネットワークサービスとプロフェッショナルコンテンツを強化できるとしても、LinkedInユーザーの方はソーシャルコラボレーション活動がMicrosoftのエコシステムに組み込まれるのを嫌がるのではないか」(ビーラー氏)
MicrosoftとLinkedIn自身は相互連携について不安視しておらず、前向きに見える。
両社のエンタープライズソーシャルネットワークの展望は自動提案にとどまらない。ナデラ氏はMicrosoftの人工知能アシスタント「Cortana」がビジネス交流のキャディーの役割を果たすようになることを予想している。例えば、会議を始めるとき、初めて会う人と握手する前にCortanaがLinkedInネットワークにアクセスし、その人物の情報を教えてくれるという具合だ。前出のレポフスキー氏はこのアイデアに注目している。
「Microsoft製品内で、CortanaがLinkedInデータを活用し、個人の業務とチームの共同作業を支援するというシナリオはとても興味深い」と同氏はいう。逆に、LinkedIn内でもCortanaを利用できたら面白いだろう。「コルタナさん、LinkedInでつながっているConstellation Researchの人のうち、最近、人工知能に関する記事を発表した人との会議を手配して」と頼めたらどうだろうか。
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