SSDのボトルネック問題をあえてHDDで解決する:大事なのは一点豪華ではなくバランス(2/2 ページ)
オールフラッシュストレージはSSDを組み込んで高性能を発揮するが、システム全体でみるとボトルネックが発生しやすい。この問題を解決するために、あえてHDDを組み込んだハイブリッドストレージを採用した事例がある。
HDDなのに2〜3倍も向上
InfinidatもMeitavと同じイスラエルの新興企業だ。Infinidatの規模は小さいが、創設者のモシェ・ヤナイ氏は、エンタープライズストレージアレイの「EMC Symmetrix」を開発したことで有名だ。
「イスラエルは小さい国なので、皆が顔なじみだ。Meitavの幹部はInfinidatの製品が最適なソリューションになるかもしれないと考え、データセンターで概念実証を行った。とても厳しい計画的なテストでMeitavは幾つかの検証を実施したが、そこでは、アプリケーションに変更を加えることなくストレージへの入出力が最も多く、かつ最も遅いシステムを用いた」(サバー氏)
サバー氏によると、この処理能力が低い検証用システムでもパフォーマンスが2〜3倍向上したという。「フェイルオーバーテストも行った。そして、Infinidatの製品は全てのテストに合格した」(サバー氏)
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Meitavは30台のデータベースサーバ、30〜40台のWebサーバ、それから数台のアプリケーションサーバを保有している。300TBのInfiniBoxストレージアレイに接続した十数台のCiscoサーバで約450台のVMware仮想サーバを実行している。
Infinidatのストレージアレイにより、Meitavは6つのラックに配置していたストレージを1つに統合して、場所と電力、そしてなにより費用を節約できた。その結果、Meitavは新しいデータセンターに投資する必要がなくなった。
「ITにはボトルネックが付き物だ。それはストレージに関する場合もあれば、ネットワークやアプリケーションに関する場合もある。2015年にMeitavはストレージに関する問題を抱えていない。現在直面している問題のほとんどは、インフラではなくアプリケーションに関するものだ。この問題を解決するポイントは、ストレージではなくデータベースへの対応だと考えている」とサバー氏は自身の見解を示している。
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