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低価格になった「アプリケーションデリバリーコントローラー」、最適の1台を選ぶポイントは仮想ADCも視野に検討を(1/2 ページ)

アプリケーションデリバリーコントローラーは、幅広い分野の企業に必要不可欠なデバイスへと進化している。しかし、ユーザー企業の規模に合わせた最適な製品を選ばないと「コストの無駄遣い」になりかねない。

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登場当初は高価だったADCも汎用プロセッサで動作可能となって安価な製品も登場している。写真はCitrixの「NetScaler MPX」

 「Amazon.com」や不動産業者の「Zillow」など、名前がAからZで始まるお気に入りのWebサイトを挙げてみてほしい。それから、そのWebサイトの背後にトランザクションを処理する準備が整っているWebサーバを何台設置しているかを考えてみてほしい。数十台、それとも数百台だろうか。

 ……と質問しておきながら申し訳ないが、幸いにも、ユーザーはその数を把握する必要がない。サーバの台数を把握する必要がない理由は、アプリケーションデリバリーコントローラー(以下、ADC)がユーザーとWebサーバの間に入っているからだ。ADCは、ユーザーと多数のバックエンドサーバとの間で発生するトラフィックを制御把握することで、ユーザーへのWebアプリケーションの配信を管理している。

 ADCが登場した当時は、ADCへの処理要求が膨大であったため、多くのベンダーがASIC(特定処理用途のためにカスタマイズした集積回路)を開発して処理を行っていた。その結果、コストは高くなり、ADCは小規模な企業にとって価格が高すぎて手が出ないデバイスとなってしまった。

 しかし、現在はプロセッサの処理能力が飛躍的に向上している。加えて演算処理のアルゴリズムも改善したADCはソフトウェアで処理を実現できるようになった。この2つの進化によって、ADCの機能はコストパフォーマンスが高い汎用(はんよう)プロセッサを搭載した安価なデバイスでも実行できるようになっている。

 この進化は、企業のIT担当者がADCを選択する場合に機能面で妥協することなく、導入コストのさらなる削減が可能になることを示唆している。

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