“1つ上”のモバイルアプリ開発でわが社も「Uber」のようになれる?:スマートデバイス固有の機能を活用する
高度なビジネスアプリを構築するため、IT部門は位置データ、統合されたコミュニケーション、特殊なセンサーなど、スマートバイスの最新機能を取り入れる必要がある。
スマートデバイスで電子メールや既製アプリを利用するだけでなく、高度なモバイルアプリ戦略を展開するにはどうすればよいか。多くの企業が考え始めているこの取り組みで重要なのが、スマートデバイスおよびアプリならではの機能(カメラ、位置データなど)を考慮に入れることだ。
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仕事で使えるモバイルアプリを
スマートデバイスから社内のシステムにアクセスできるようにすることで、企業は大幅な生産性向上を実現するとともに、それらの全く新しい使い方を開拓することができる。もちろん、そのためのアプリを開発するのは、大仕事だ。企業は新しいOSをサポートする方法を把握し、使用する開発フレームワークを決定し、バックエンドインフラへの新しい接続を作成しなければならない。
さらに、企業はスマートデバイスのどのような機能を利用するかも決める必要がある。従来のデスクトップアプリをモバイルアプリに転換する場合、小さな画面に合わせてタッチフレンドリーになるようにユーザーインタフェースを見直さなければならない。また、デスクトップアプリは数十や数百もの機能を搭載することがあるが、開発者は機能を厳選し、的を絞ったタスク指向のモバイルアプリを開発する必要がある。
スマートデバイス固有の機能の付加価値
スマートデバイスは、以下のようにさまざまな固有の新しい機能を備えている。
- プッシュ通知の仕組み
- 各種データ(位置情報、連絡先リスト、カレンダー、リマインダー、アカウント資格情報など)への瞬時のアクセス
- 統合されたコミュニケーション(音声通話、メッセージング、VoIP、電子メールなど)
- 統合された音声、ビデオ、カメラ機能
- 特殊なセンサー(周辺光、気圧、各種モーションなど)からのデータ収集
スマートデバイスのユーザーにはおなじみのこうした機能は、エンタープライズアプリケーションの文脈でもかなり貴重だ。従来のエンタープライズアプリケーションでは提供されない新たな付加価値をもたらすからだ。
アプリが答えを持つ
コンピュータサイエンスの有名な考え方として、「アプリケーションは、自ら答えを見つけられる問題をユーザーに質問してはならない」というものがある。スマートデバイスはユニークなさまざまな機能のおかげで、自動的に、あるいはユーザーによる最小限の操作で、PCよりも多くの答えをアプリケーションに提供できる。こうした一連の機能は利便性や効率性をもたらすだろう。例えば、アプリはデバイスの位置情報を使って、ユーザーにタイプ入力を求めることなく、フォームの住所フィールドを埋めることができる。
IT部門は、この考え方を推し進めてスマートデバイスの機能を組み合わせ、デスクトップでは不可能または非現実的なアプリを実現できる。そうした消費者向けアプリの一例として、「Uber」のような配車アプリがある。配車アプリでは位置情報特定のためのAPI「Geolocation API」、ユーザーアカウント、カメラ(クレジットカード情報をスキャンし、OCRで文字を認識するために使う)、通話機能、プッシュ通知が組み合わされる。企業もこれらの機能を利用できる。例えば、営業担当者向けに、顧客の位置をマッピングし、署名された契約書をスマートフォンのカメラで撮影するモバイルアプリを提供するといったことが可能だ。
企業は、スマートデバイスが小型で持ち運びやすいだけでなく、こうしたさまざまな可能性を秘めた新しいユニークな機能を提供することを念頭に置く必要がある。
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