vForum 2016レポート
東レのビジネス成長を支えるクラウド基盤が、SDDCでできるまで(1/2 ページ)
東レグループは、2017年度に向けた次世代基盤として、ハイパーコンバージドインフラを基盤に、VMwareの仮想化を用いたSDDC(Software-Defined Data Center)の導入を決定した。
最新技術を駆使して、ビジネス貢献度の高いITサービスを提供したい
東レグループは、2017年度に向けた次世代基盤として、統合インフラ製品のハイパーコンバージドインフラをベースとした「SDDC」(Software-Defined Data Center)の導入を決定した。SDDCは、ハードウェアリソース全体をソフトウェアで制御するデータセンターのことで、東レグループはVMwareの仮想化技術を用いて実現した。グローバルで使われている最新技術を導入することによって、柔軟性と品質が両立したクラウド基盤の構築を目指す。同社のIT環境を支えている東レシステムセンター・システム技術推進部長の天満昌則氏は、ヴイエムウェア主催イベント「vForum 2016」のセッションで、SDDCを導入する狙いや解決できる課題、もたらされるビジネス価値などについて語った。
世界26カ国・地域で幅広い事業を展開する総合化学企業集団の東レグループ。2020年に向けたビジョンとして「AP-Growth TORAY 2020『持続的に収益を拡大する企業グループ』」を掲げており、2016年は「AP-G 2016『革新と攻めの経営』」をテーマに事業戦略を進めている。その中で東レシステムセンターは、東レグループの情報システム会社として、「サービスセンターへの変革」「技術活用による業務効率化」「グループ共通基盤の展開」の3つを重点施策とし、2017年度に向けた次世代基盤の構築に取り組んでいる。
東レグループでは、システムの進化を促すため、システムライフサイクルを考慮してシステム基盤の世代管理を進めている。1つのバージョンは、メインストリーム期間3年、凍結運用期間3年、収束期間1年の計7年をサポート期間とし、おのおのの世代において、1つ前の世代からの移行ステップを用意している。つまり3年のライフサイクルでシステム基盤を世代交代しているわけだ。現在メインストリームのシステム基盤は、2017年には凍結運用を行うことから、2017年度に向けて次世代基盤となる「v2017」の構築は待ったなしの状況だ。
v2017構築のミッションは、ビジネス貢献度の高いITサービスを提供し、東レグループの成長を推し進める次世代基盤を実現することだ。「2017年度の次世代基盤では、柔軟性と高品質を両立したITサービスを提供することが求められた」と天満氏は語る。そのために同グループは最新技術を導入し、セルフサービス化と省力化を進めたプライベートクラウド基盤の構築を目指す。加えて次世代基盤「v2020」で、ハイブリッドクラウド化を見据えた運用も求められているという。
併せて読みたいお薦めの記事
SDDCが実現する未来
VMware NSXについて知る
プロジェクト初期からヴイエムウェアを加え、SIerと三者連携へ
v2017の具体的な目標としては、「利用者の望むリソース(量)を提供できる」「運用を自動化でき、再現性がある」「利用者の申請から1時間以内にデプロイを完了し、仮想マシン(VM)を提供できる」「運用要員1人当たり500VM程度の運用実現を目指す」「サービス停止なくメンテナンスができる」ことを設定した。
「これらの目標を全てクリアするためには、パブリッククラウドが提供するメリットを、オンプレミス環境で実現することが必要不可欠になる」(天満氏)と東レグループは判断。そこでv2017の構築に当たって、短期間かつ設計不要でスケールアウトしやすいハイパーコンバージドインフラをベースとしたSDDCの導入を決断したという。
実際に次世代基盤構築のプロジェクトが動き出したのは、2015年4月ごろ。企画から構想、RFP(Request For Proposal)のステップでプロジェクトを進めており、2017年4月の本番稼働を目指している。このプロジェクトで注目したいのが、東レシステムセンターとヴイエムウェア、そしてシステムインテグレーター(SIer)の3者による連携モデルだ。東レシステムセンターは、これまでもVMwareの仮想化製品をベースにした仮想基盤を運用してきた実績を持つが、天満氏は「次世代基盤の構築プロジェクトでは、製品ベンダーの立場を超えてヴイエムウェアと連携し、プロジェクトの初期段階からアドバイザーとして支援してもらった」という。通常のプロジェクトでは、製品ベンダーは開発の最前線ではなく、後方支援の役割である製品サポートを担当する。これに対して今回は、東レシステムセンターとヴイエムウェアで次世代基盤のあるべき姿を共有し、ヴイエムウェアにはSIerへの技術サポートを担ってもらった。これによって「3者間で納得性のある次世代基盤を完成させることができた」と同氏は語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
2
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
サーバ約70台をAWSへ ヤナセが移行前にやった「通信要件の可視化」
-
5
AIインフラの理想形? 「5層のケーキ」を垂直統合するための近道とは
-
6
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
7
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
多品種小ロットの「手書き・配合ミス」を克服 キャニオンスパイスの食品工場DX
-
10
「AI活用」を掲げた年金刷新が炎上 英政府が大手ITアウトソースを切り捨て「内製回帰」した理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー