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企業に広がるオープンソースストレージ利用今や使うのが当たり前

OSやアプリケーションに続き、オープンソースストレージが企業に進出しつつある。多くのソフトウェアが既に利用されており、オープンソースストレージ利用は主流といえる状況だ。

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 データセンターでは多数のフリーソフトやオープンソフトウェアが利用されている。「Microsoft Azure」すら、一部のLinuxディストリビューションをサポートするほどだ。また、ハイパーコンバージドプラットフォームでは、Linuxカーネルに標準搭載されている「Kernel-based Virtual Machine」(KVM)などもVMwareに代わるハイパーバイザーとしてよく使われている。

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 そして今、オープンソースストレージが続こうとしている。例えば、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)やそれ以外のアプリケーションでは、もはやオープンソースのファイルシステムがデフォルトになっている。

 パフォーマンスや冗長性を目的として、複数のストレージノードに拡散またはプールできるように設計されたクラスタファイルシステムや並列ファイルシステムもある。さらに、複数のサーバにマウントすることができるものもある。最も著名な例は「Lustre」だ。

 例えばRed Hatの「GlusterFS」など、さまざまなネットワークファイルシステムもある。Oracle(もともとはSun Microsystems)の、ファイルシステムとボリュームマネジャーを兼ね備えた「ZFS」は多くの環境に実装されており、多数のオープンソースプロジェクトを支える存在となっている。

 さらにオープンソースストレージは、「Ceph」や「OpenStack Swift」によってオブジェクトストレージの分野にも進出している。ビッグデータやアナリティクスの分野でも同様で、「Hadoop Distributed File System」(HDFS)が代表的だ。

過度のDIY

 かつてオープンソースストレージの導入があまり進まなかった要因は、自作(DIY)しなければならない部分が大きすぎたという点だ。

 オープンソースのOSは、多様なハードウェアで動作するように設計されている。標準のディストリビューションパッケージをダウンロードして、主流でありコモディティ化したデスクトップまたはサーバ環境上にインストールすると、そのOSがサポートしているハードウェアが自動的に認識され、ハードウェアを稼働させることができる。

 単純に可能性だけを考えると、少し古くなったグラフィックスカードやディスクコントローラーをサポートしていないLinuxディストリビューションが存在するかもしれない。だが、大抵の場合そんなハードウェアでも最終的には稼働させることができる。

 ただしオープンソースストレージはそこまで簡単な話ではない。そもそも大半のユーザーは既に、よく知っていて信頼性も保証されたストレージを所有している。そして何より、既存のデータは全て、その旧来のストレージに格納されている。ストレージプラットフォームの切り替えは、アプリケーションの移行や仮想マシンを新規サーバに配備する作業に比べると、単純に進められるものではない。

ストレージシステムのチューニング

 基本的なハードウェアやアプリケーションは、多様な要件を満たさなければならない。標準的なストレージソフトウェアディストリビューションが使える場合──例えば、大容量HDDまたはフラッシュメモリを搭載したx64サーバであるコモディティストレージを購入した場合など──でも、ストレージシステムのチューニングと、個別のニーズやワークロードに対応させるためのカスタマイズにはかなりの作業が必要になる。

 しかしこの状況は変わりつつあり、おまけにその変化は加速している。

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