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開発プロジェクト成功の鍵は分隊編成のチームへの権限委譲CIOインタビュー

かつてeBayでCTOを務めたアヌヴェルト氏は今、Gumtreeで開発の指揮を執っている。大きな権限を与えた少数編成のチームを活用し、多くの成果物を生み出しているという。

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 バス・アヌヴェルト氏は、大手オークションサイトを運営するeBayで10年間勤務した後、2016年11月、インターネットサービス企業Gumtreeに入社した。eBay在籍時はデンマークの拠点でヨーロッパ全域のDevOps部門の責任者を務め、後にCTO(最高技術責任者)にも就いた。

 アヌヴェルト氏によると、eBayはGumtreeに多額の投資を継続しているという。Gumtreeは2000年、英ロンドンで設立された。オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの人々を対象に、住居や求職など、その町で安定した生活を送るために必要なあらゆる情報を求める人々を支援する掲示板サービスを展開している。

 Gumtreeのサイトは2005年にeBayに買収され、現在はeBay掲示板グループに所属している。

 Gumtreeのロンドンの拠点は、近郊の町リッチモンドに設置されている。ここで60人が製品開発に従事しているとアヌヴェルト氏は説明する。

 多くの労力を投入して「Gumtree」のサイトを刷新したと同氏は語る。「このサイトはもともとPerlで開発されていた。PerlからJavaへの移行は大規模な作業だった。そして移行を終えたとき、われわれはあることに気付いた。それは、これまで構築して運用してきたのが、巨大なモノリシックのアプリケーションだということだ。そこでわれわれは、このアプリケーションをいずれマイクロサービスへ変換したいと考えている。そうすればコードの更新部分だけを個別にリリースできるようになる」

 ただしGumtreeは、マイクロサービスアーキテクチャへの移行を決めたからといって、もともと進めていた開発作業を中止することは望まなかったとアヌヴェルト氏は振り返る。「われわれは、コードのリポジトリでコミット回数をモニタリングしている。当社のアプリケーションの中で、変更される回数が特に多い部分があれば、そこがマイクロサービスに変換する対象の候補となる」と同氏は付け加える。

 マイクロサービスへの移行を見据えて、Gumtreeはコーディングプロジェクトの進め方自体を変えつつある。(従来は)ウオーターフォール式のアプローチだったが、定期的なサイクルでコードをリリースするようになった。

 従来のロードマップは、コードを作成するのに最も費用効率の悪いやり方だとアヌヴェルト氏は主張する。「(今の)われわれは、アイデアが浮かんだらすぐにコードを書き始める。6〜7カ月後には何らかの製品をリリースし、顧客からのフィードバックの反映を開始する。フィードバックが肯定的なものではない場合、開発した製品は、多額の費用を掛けた、ただのコードの塊になる」

 ソフトウェア開発に対するアプローチとして、ウオーターフォール式を採用するのではなく、職能の枠を完全に取り払った、少人数のチーム「スクワッド」(squad:分隊)を結成して開発を進めていると同氏は説明する。「この新しい作業手順では、各開発チームに大きな権限を与えている」と同氏は付け加える。

 「スクワッド」のメンバー構成は、製品オーナー、設計者、ユーザー体験(UX)担当者、開発者、品質保証(QA)エンジニア、DevOpsエンジニアで、さらにマーケティング担当者と事業開発担当者も加わる。

 「われわれはこのチームに問題の説明をして達成目標を示す」とアヌヴェルト氏は話す。すると、スクワッドは予想外の成果を生み出した。




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