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コンテナやPaaSの台頭で問われるOpenStackの価値、有識者座談会を開催「OpenStack Days Tokyo 2017」から見えたITインフラの現在と未来(2/2 ページ)

成熟期に入ったOpenStackは、大規模でなくても運用できるのか、小規模でもコストメリットは出るのか。専門家4人が集結し最新動向や活用方法を語った。

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エコシステムに“参加”する意識を持つことが大切

 OpenStack Days Tokyo 2017を1つの契機として、玉置氏、鳥居氏、水野氏、長谷川氏の4氏は今後に向けてOpenStackのさらなる啓発と普及に努めていく考えだ。

 ただしOpenStackの利用に当たっては、企業側にもそれなりの“心構え”が求められるのも確かなようだ。OpenStackはOSSであるため、その気になれば誰でも無償でダウンロードして使い始めることができる。ただし一般的な商用ソフトウェアと同様の受け身で捉えていたのでは、中長期的に使いこなしていくことは困難である。

 玉置氏は「情報を発信すると自分へのリターンが大きくなる。われわれもそうした経験に育てられた」とオープンソースとの付き合うコツを紹介。鳥居氏は「OpenStackのエコシステムに参加する意識を持つことが大切」と語る。システムインテグレーター(SIer)に依存するだけではなく自らの手でエンジニアを育てる、不具合を発見したらコミュニティーに報告する、あるいはOpenStack Daysのようなイベントで事例を発表するなど方法はさまざまだが「自分たちなりに何らかの貢献を果たしていくことが理想的だ。それによってこそOpenStackの真のメリットを理解できる」と説く。

 実際、現在のOpenStackは標準的な機能をディストリビューターの推奨構成で利用する分には、ほぼ失敗しないレベルにまで成熟してきている。かといって全ての機能が十分にテストし切れているわけではない。

 「ビジネス側とデベロッパーの双方が認識しているOpenStackの課題そのものにも、まだまだ大きなギャップが存在するのが実情。その意味でも現場の要件をデベロッパーにフィードバックするユーザー企業には大きな期待が寄せられている」と水野氏は語る。

 もちろん最初から全社を挙げて取り組む必要はない。「さまざまなユーザー企業に話を聞いてみると、最初は3〜5人といったメンバーで使い始めたというケースが予想以上に多い。今でこそ大々的にOpenStackを活用している楽天もそうだった」と長谷川氏は語る。「少数精鋭のプロジェクトを立ち上げてOpenStackを動かしていくというチャレンジは、一般論としても十分にありだ」(同氏)

 本稿ではごく一部しか紹介できなかったが、「ITmedia Virtual EXPO 2017 秋(IT)」では、玉置氏のモデレーションの下、OpenStackをテーマに繰り広げられた水野氏、鳥居氏、長谷川氏のディスカッションが余すことなく動画で公開される。OpenStackの現在と未来をつかむためにも、ご覧いただければ幸いだ。

「ITmedia Virtual EXPO 2017 秋(IT)」<無料>

徹底討論:第2フェーズに突入したOpenStackはどこまで使える?

主催: ITmedia Virtual EXPO 実行委員会

会期: 2017年9月5日(火)〜9月29日(金)


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