Cloud Foundryで一獲千金? 今評価されるクラウドスキルと取得方法:クラウド担当者のスキル不足が顕在化(1/2 ページ)
クラウド利用が当たり前のように扱われるようになってきたが、技術者は常に不足し続けている。この技術者需要に応えるべくクラウド提供企業が公開しているトレーニングプログラムについて、Cloud Foundryを例として紹介する。
企業にとってクラウドが身近になればなるほど、うすうす感じていた技術者のITスキルの不足、特にパブリッククラウド関連のスキル不足が、現実の課題として浮かび上がってきた。
「多くの企業が自社のクラウドプロジェクトに適格な人材を探すのに苦労している」とIT資格による人材育成を目的とした非営利IT業界団体CompTIAの製品開発担当シニアディレクターであるジェームス・スタンガー氏は話す。
クラウド全般のスキルを備えた技術者への需要は引き続き高いが、最近では特に、パブリッククラウドや、Cloud Foundryなどのオープンソースプラットフォームに具体的な経験を持つ人材が切望されている。オープンソースプラットフォームは自由に利用、改変ができるプログラムで構築したシステム基盤を指す。
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クラウドがけん引するIT雇用
IT専門の人材会社Robert Half Technologyの調査によると、求められるITスキルのうちクラウドスキルが24%を占める。これは首位のデジタルマーケティングスキル(25%)に迫る勢いだ。「クラウドプロジェクトは、最高情報責任者(CIO)によって優先事項の上位に挙げられている」と同社のシニアエグゼクティブディレクター、ジョン・リード氏は述べる。
だが、企業は依然として、クラウド担当者の空席を埋めるのに苦労している。技術職の求人情報サイトDice.comでは、クラウドコンピューティング(クラウドを利用したサービス配信の仕組み、もしくは仕組みを構築すること)に関する求人が1万1千件を超える日もあった。同社の統計では、こうした求人は2016年度に比べて7%増になるという。
また、最近行われたCompTIAの調査では、スキル不足が広がっていると答えた企業が46%に上る。主な理由は、専門スキルが不足している従業員が多過ぎる(96%)ことだ。需要が多い専門知識リストの上位には、クラウドインフラとクラウドアプリケーションが3位にランキングされ、首位の人工知能とモノのインターネット(IoT)よりもわずか2%少ないだけだった
クラウドコンピューティングの全般的なスキルから専門スキルへの転換
企業は、引き続き、クラウドコンピューティング全般の専門知識を備えたIT担当者を求めている。「企業はクラウドアーキテクト(クラウドを使ったサーバやネットワーク、ソフトウェアの構成を設計できる人)を必要としている。つまり、既存のインフラに対するクラウドの適合性を判断できる人材を探している」とスタンガー氏は語る。
だが、特定のクラウドプロバイダー(クラウド環境を提供している企業)やプラットフォーム関連のスキルなど、クラウドコンピューティングのより専門的なスキルへのニーズも高まっている。例えば、Amazon Web Services(AWS)はパブリッククラウドサービスの最大手プロバイダーとして君臨するため、AWS固有のスキルへの需要は相変わらず高い。求人情報サイトIndeed.comをちょっと検索しただけでも、米国でのAWS関連の専門職求人が2万5千件以上もある。
AWSには包括的なトレーニングや認定プログラムがあり、IT担当者に必要なクラウドコンピューティングスキルの習得を支援している。プログラムには、アーキテクチャ設計、開発、運用、ビッグデータなどの特殊スキルといった分野別のコースとテストがある。
Dice.comによると、MicrosoftがMicrosoft Azureの研究開発を継続しているためAzure関連の仕事数は前年比40%増になっているという。Microsoftはトレーニングと認定資格の点で他社をリードし、Azure関連の専門職を目指すIT担当者向けに幅広いツール群を開発している。同社は、機械学習からLinuxまで幅広いテーマについて、少数の無料トレーニングクラスと多数のAzure認定資格を用意している。
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