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クラウド市場で進む寡占化、得する人損する人リスクと利益を理解すべし

SaaSおよびIaaS市場で寡占化が進んでいる。この傾向はユーザーにとって不利なのか、それとも有利なのか。Forrester Researchは、ユーザーによって異なってくるという。

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Computer Weekly

 IT専門調査会社のForrester Researchによると、クラウド市場の統合はIaaSユーザーよりもSaaSユーザーに悪影響を及ぼす可能性が高い。

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 Forresterは「The Coming Consolidation of Cloud」(間もなく起こるクラウド市場の統合)と題したレポートを発表した。その中で、パブリッククラウドとSaaSの市場で、2〜3社のプロバイダーの収益が業界全体の約70%を占める現状は、寡占状態にあると見なすことができるとしている。

 CIO(最高情報責任者)にとって、クラウドソフトウェアとインフラ市場の両方で起こっている統合を把握することが、リスクを回避すると同時に利益を引き出すための最優先事項であると同レポートは続けている。

 実のところ、SaaSユーザーはオフプレミスのIaaSユーザーよりも市場統合によって負うリスクが高く、それでいて利益は少ないとレポートは示唆している。

 SaaSユーザーはサプライヤーによるロックインに敏感であり、時間経過とともに、利益を追求するサプライヤーがサービスへの投資に消極的になるのではないかと恐れているのだろうと説明している。

 「salesforce.comのようなクラウドサプライヤーが現在のIBMのように大きな企業になると、ある時点で企業の成長速度は落ち着いて、テクノロジー市場全体の進歩の速さほどではなくなる。こうなると投資家は、そのサプライヤーが利益を出すことを期待するようになる」と、レポートは続ける。

 「その時期に、市場シェアで優位に立ったサプライヤーは価格競争の方向へひそかに方針を転換し、研究開発部門への投資を減らすようになる」

 このプロセスによって、まずCRM分野の企業がダメージを受ける可能性が高いが、今後数年で他のSaaSサプライヤーにも影響が及ぶだろうとレポートは警告している。そしてさらに、この影響を受けた企業は連鎖的にイノベーションを起こす能力にも悪影響が出るという。

 この主張は、市場の統合には何も利点がないという趣旨ではない。SaaSの市場展開モデルが確立されたことで市場への参入障壁が低くなり、IT支出を確保する従来のアプローチを再考するきっかけになったという点もレポートは指摘している。

 「現在の市場で優位にあるサプライヤーは、それをいいことに商品の価格をつり上げてはならない。新しいSaaSサプライヤーがより優れたバリュープロポジションを引っ提げて市場に現れ、顧客を奪うかもしれないのだから。従って、主要なSaaSサプライヤーは現状に安住しないよう努力する傾向にある」(同レポート)

価格競争はクラウドユーザーにとって朗報

 IaaSに関しては、市場統合は悪影響よりもプラスの効果の方がずっと大きいとForresterは予測している。

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