クラウド活用の課題1位は運用管理、複数ベンダー混在環境を管理するコツは?:ポイントは「統合」「可視化」「自動化」
複数クラウドを併用したり、オンプレミスと統合的に利用したりする状況が当たり前になってきている。そこで課題となるのは? 読者調査から浮かんだ課題と解決策を示そう。
いまやクラウドは、企業情報システムの重要な構成要素となっている。数年後を見越してコンピューティングリソースを「所有」するスタイルから、その時々に必要なものだけを「利用」するスタイルへの転換は、変化の激しいビジネス環境の中で「ITによるビジネスへの貢献」が強く求められる昨今、あらゆる企業にとって関心事だ。
コスト効率が高く、ビジネスの変化にも適応できるクラウドだが、課題がないわけではない。キーマンズネットおよびTechTargetジャパンが2017年6月に実施したクラウドの利用に関する調査によれば、現状のクラウドに対する不満として「障害発生の頻度が高い」「障害状況が把握しにくい」「期待したほどの性能が出ない」という意見が多く寄せられ、現在利用しているクラウドサービスから他社サービスへの乗り換えや併用を検討している割合は約4割に及んだ。そして、実際にクラウドを利用している企業ほど、
- 障害やトラブルの切り分け
- 既存システムや他のクラウドサービスとの統合管理
- サービスの利用/運用状況の把握
といった点を課題と認識しているようだ。2016年6月に実施した同調査でも、【構築・運用】に関する課題や懸念点として、以下の結果が出ている。
クラウドを活用してビジネスを加速させようと考える企業にとっては、上記のような課題はその進展を阻害する要因となる。調査レポートから見えてきた具体的なクラウド利用企業の声とともに、企業ユーザーが考える本来のクラウド活用やあるべき姿とは。そして、これらの課題を解決してクラウドのメリットを最大化するためにはどうすればよいか。次項で考えていこう。
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