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Windows標準のマルウェア対策エンジンに「最悪」の脆弱性、どうしてこうなった?2017年5月に発覚し、修正済み

Microsoftのウイルス対策ツール「Windows Defender」には、リモートでコードが実行できる脆弱(ぜいじゃく)性が含まれていた。Microsoftが2017年5月8日に緊急対応を実施した、この脆弱性の背景とは。

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Microsoftは2017年5月8日に「Malware Protection Engine」の更新版を緊急公開し、報告された脆弱性に対処した(画像はMicrosoftのWebサイト)。《クリックで拡大》

 この脆弱(ぜいじゃく)性は、ファイルをスキャンするときに遠隔で任意のコードが実行される可能性があるというものだった。攻撃者が送信した電子メールやメッセージを、Microsoftのウイルス対策ツール「Windows Defender」が自動スキャンすることによって、攻撃者がシステムを操作できてしまう。なぜこのような脆弱性が発生したのか。

 ウイルス対策ツールには「Windows 95」以前からあるプログラムが多く、それらには相当量のレガシーコードベースが残っていると考えられる。その機能の多くは何年もの間、あまり変更されていない。

 ウイルス対策プログラムは、害を及ぼす可能性のあるファイルを検出し、エンドポイントのコンピュータへの感染を引き起こすことなく、それらを分析する必要がある。そのためには、さまざまな種類のファイル形式や圧縮形式、エンコード形式をパースしなければならず、基本のファイルスキャン機能に新しいサブルーティンやプラグインを追加してこれを実現することが多い。

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