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ホテルの客室でも「Alexa」、AI音声アシスタントのビジネス利用はどこまで進む?「Alexa for Hospitality」が登場

ホテルは「Alexa for Hospitality」により、消費者におなじみのAI音声アシスタントを客室で提供できる。だが、Amazonはプライバシーに関する不安を和らげる必要があるだろう。

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Amazon | 機械学習


Alexa for Hospitality
好みの音楽を流したり部屋の照明をコントロールしたりホテル近辺のお店を探したり、ルームサービスを注文することもできる(出典:Amazon.com)

 Amazon.comは2018年6月、ホテルの宿泊客向けのAI音声アシスタントサービス「Alexa for Hospitality」を発表した。このサービスは、客室に設置された「Amazon Echo」シリーズのスマートスピーカーに話し掛けることで利用できる。自社のAI音声アシスタント「Alexa」の消費者市場での成功を生かし、エンタープライズ市場に進出しようとするAmazonの最新の試みだ。

 宿泊客はAlexa for Hospitalityを利用して、電話をかけたり、モーニングコールを設定したり、音楽を再生したり、ルームサービスを頼んだり、客室清掃を依頼したり、室内のスマートデバイスを操作したりできる。Amazonは将来、宿泊客が客室のデバイスで、自分のAlexaアカウントにサインインできるようにする計画だ。

 Alexa for Hospitalityのプラットフォームにはコンソールが用意されており、ホテルの管理者はこれを使って、全室のEchoデバイスをリモートコントロールできる。デフォルト設定を管理したり、各室の宿泊客が変わるたびにデバイスをリセットしたりすることが可能だ。

 Amazonのプラットフォームは、エンタープライズ市場でAIサービスを展開するための論理的な第一歩だと、ZK Researchの創業者で主席アナリストのズース・ケラバラ氏は指摘する。だがAmazonはいずれ、機能セットに工夫を凝らしたビジネスグレードのプラットフォームの構築を迫られるだろうと同氏は見る。

 「ホテル業界についていえば、例えば単にユーザーをスパに接続するだけでなく、ユーザーがスパに行った直近の4回がいつだったかを踏まえて、何らかの付加価値サービスを提供できれば望ましいといった要望がある。そうしたレベルのパーソナライズは、非常に深い専門知識に基づいて行われる。消費者向け製品ではそこまでの機能を提供することは意図されていない。Amazon製品も、広く浅い機能を提供するプラットフォームとして作られている」(ケラバラ氏)

エンタープライズ市場に進出する消費者向けスマートスピーカー

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