特集/連載
多種多様になる一方の電子健康記録(EHR) 医療システムはどう変わるのか:EHRからCHRへ
医療機関は、遺伝子データや患者データ、学問に関するデータなど、多岐にわたる関連データを統合して一元管理できる機能をEHRに求め始めている。
ここ数年、病院や医療機関で紙のカルテを目にする機会は少なくなった。これは治療効率を高めるために紙のカルテを電子カルテにするという、医療機関が進めた近代化の成果だ。近代化は急速に進み、電子健康記録(EHR)の導入率も高まりつつある。電子カルテだけでなく、公衆衛生、行動保険学、患者にまつわるデータもまとめて管理できるシステムの需要も明らかになっている。こうした新しいニーズに対処するために、包括的な健康記録システムに向かうことは、EHRの予想通りの進化と捉えるベンダーもある。しかし全てのEHRベンダーが、このようなシステムに切り替えることができるのだろうか。
医療従事者は、利用できる医療情報が多いほど、患者の病状を改善するチャンスが増えることを認めている。そのため多くの病院が患者への包括的なサービスの提供を考えて、院内のシステムで広範なデータをサポートできるようにしている。病院をはじめとした医療機関は、メンタルヘルスサービス、遺伝子データ、患者にまつわるデータ、外部機関から提供される外部データに着目し、これらの関連データを統合して一元管理できる機能をEHRベンダーに求め始めている。
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