企業向けコミュニケーション技術
クラウドベースのコミュニケーション「UCaaS」と「CPaaS」を比較する
企業がオンプレミスからクラウドに移行するにつれ、CPaaSとUCaaSの利用が広がっている。本稿では、この2つの選択肢が提供する機能と、企業コミュニケーションへの適合状況を確認する。
コミュニケーションシステムをオンプレミスからクラウドに移行するのであれば、企業は自社のビジネスニーズに最適なモデルを選ばなければならない。その選択肢には、UCaaS(Unified Communications as a Service)とCPaaS(Communications Platform as a Service)の2つがある。UC(Unified Communication)とは音声やテキストメッセージなどさまざまな通信手段を統合したコミュニケーションだ。UCaaSとCPaaSはどちらも核となるコミュニケーションサービスを提供する。
UCaaSとCPaaSはよく似た機能を提供するが、サービスを提供する方法が異なる。UCaaSは従来のオンプレミスシステムに似ており、機能とアプリケーションが全てシステム内に常駐する。CPaaSは利用者自身で構築する部分が多いモデルだ。企業は、オープンAPIを使ってコミュニケーション方法をカスタマイズし、既存のビジネスアプリケーション内に組み込める。
併せて読みたいお薦め記事
ユニファイドコミュニケーションを知る
- 「コミュニケーションツールは1社にまとめたい」 だから2019年UC市場はこう変わる
- 「ユニファイドコミュニケーション」2018年最新動向、成長はまだ続くのか
- だから見直したい、ユニファイドコミュニケーション(UC)のメリット
企業コミュニケーションをどうするか
UCaaSとCPaaSでできること
クラウドベースのコミュニケーションモデルには、オンプレミスのコミュニケーションと共通の機能やアプリケーションが複数存在する。UCaaSで使用できる機能としては、企業用メッセージング、チームコラボレーションツール、テレフォニー(電話通信)、ビデオ会議などがある。
CPaaSも同等の機能を提供する。音声、動画、メッセージングなどの機能は個別のサービスとして提供されており、APIを使って実装されることが少なくない。APIは高レベルのカスタマイズ、および他システムとの連携を可能にする。そのため、既存アプリケーションにコミュニケーション機能を組み込むことを考えている企業にとって、CPaaSは魅力的な選択肢だ。
カスタマイズの手段として、UCaaSベンダーは提供サービスにCPaaSを取り入れつつある。UCaaSとCPaaSを組み合わせることで、企業はコミュニケーションに関するニーズ全てを1社のベンダーで満たしやすくなる。
社内外コミュニケーションへの対処
CPaaSとUCaaSは、社内外のコミュニケーションにかかる費用の点でオンプレミスに勝っている。インフラコストが低いことも一因だ。性質として、クラウドネットワークはネットワークの境界を越えてコミュニケーションを取るよう構築されていることも、UCaaSとCPaaSの魅力だ。CPaaSアプリケーションは、APIによるカスタマイズ性の高さ、UCaaSよりもシームレスな社外コミュニケーションを提供する。
クラウドベースのシステムは、社内コミュニケーションでの利用にも長けており、潜在的な欠点もわずかだ。ただし、UCaaSとCPaaSを制限の多いネットワークに導入した場合は、問題に直面する恐れがある。オンプレミスとクラウドのどちらに導入しても、UCサービスは社内コミュニケーションを実現できるよう設計されている。
UCaaSとCPaaSの集約
クラウドベースのコミュニケーション市場ではベンダーのサービスが急増し、各ベンダーが頭一つ抜け出すのは難しくなっている。UCaaSベンダーは差別化を図るために、オープンAPI、CPaaS、AI、コンタクトセンター統合など、人気のある機能を組み込んでいる。
UCaaSサービスにオープンAPIとCPaaSを追加することで、企業は既存のシステムにさまざまな機能を統合できる。例えばワークフローの効率を高めるために、クリックで電話をかけられる機能を顧客関係管理アプリケーションに追加するなどだ。自社またはサードパーティーのUCaaSと連携するCPaaSを開発しているベンダーもある。CPaaSを追加することで、UCaaS単独の場合よりも柔軟性が高くなる。これにより、企業はUCaaSシステムにはない機能を社内に提供するために、複数ではなく1社のベンダーから、アプリケーションとサービスの全てをまかなえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[ネットアップ合同会社] 金融庁ガイドラインから読み解く、「次世代データレジリエンス」の在り方 -
製品資料
[ネットアップ合同会社] 製造DXでデータ活用ニーズが拡大 分散データ活用とAI活用をどう実践する? -
製品レビュー
[ネットアップ合同会社] AIで使いたいデータが内外に点在、研究におけるAI活用を阻む“真の課題”とは -
製品資料
[株式会社kickflow] 稟議・承認作業の「脱オンプレ・脱Excel・ペーパーレス化」を一気に進める方法 -
製品レビュー
[株式会社kickflow] ワークフローシステムのクラウド化 “みんなが不幸になる”事態を避けるには?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「契約業務のAI活用」に関するアンケート
-
2
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
3
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
4
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
5
「エージェントを作るな、スキルを作れ?」 Anthropicが提唱するAI運用の勘所
-
6
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
7
シャトレーゼを悩ませる偽メール 混乱なしでBIMI導入とDMARC強化を実現した方法
-
8
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
9
障害対応に「余裕なし」が9割超 運用担当316人調査で見えた「運用赤字」
-
10
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー