「NVMeストレージ」の実力を最大限に引き出す【後編】
NVMeストレージの性能向上を阻む4つの課題、その解決策とは?
NVMeベースのストレージでは、ファイルシステムがボトルネックとなり得る。本稿ではそれを防ぐ方法について説明する。
前編「NVMeストレージの性能向上に『ファイルシステム』が重要な理由」では、高速インタフェース規格「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)に準拠したストレージのパフォーマンスに、ファイルシステムが与える影響について説明した。後編では、NVMeストレージのパフォーマンス向上を阻む具体的な原因と、その解決策を示す。
ファイルシステムについて検討すべき4つの要素
ファイルシステムにはパフォーマンスを制限する4つの要素がある。
- ファイルシステムとストレージノードとの通信効率
- さまざまなストレージノードを接続するネットワークに対するファイルシステムの管理効率
- ファイルシステムとクライアント端末との通信効率
- メタデータアクセスに対するファイルシステムの管理効率
上記の要素を踏まえた上で、NVMeストレージのパフォーマンスを高めるには、どうすればよいのだろうか。
ファイルシステムは通常、OSのI/Oスタック経由でストレージと通信する。多くのファイルシステムはLinuxを基盤とし、その機能を通じて通信する。ただしその分のオーバーヘッドが発生する。
そこで代わりになるのが、NVMeベースのファイルシステム向けに独自のI/Oチャネルを作成する方法だ。高価なハードウェアで過剰に補整する必要なく、最大のパフォーマンスを引き出すチャンスをファイルシステムユーザーに提供する。
ファイルシステムは、一般にNFS(Network File System)といった標準プロトコルを使用してクライアントと通信する。NVMeにはNVMe-oF(NVMe over Fabrics)というバリエーションがある。最新のファイルシステムは、並列処理でNVMe-oF接続を可能にするソフトウェアを、クライアントで実行できるようにする必要がある。
NVMe-oFは、さまざまなストレージノードの相互接続にも使用できる。このようなファイルシステムの顧客にとってのメリットは、直接接続型ストレージ(DAS)と同程度の遅延で、ファイルシステムが提供するアクセスの容易さが得られることだ。
最新のアプリケーション環境の大半では、全てのストレージI/Oの80%以上をメタデータが占めているという見方がある。全てNVMeストレージで構成するファイルシステム構造では、メタデータへのアクセスは高速になる。ただしメタデータのレイアウト方法は、遅延の少なさというNVMeのメリットを生かせるぐらい効率的でなければならない。
メタデータのパフォーマンスを最適化するには、ファイルシステムを構成するクラスタ内のノード全体にわたってメタデータをストライピング(複数のノードにデータを分散して書き込むこと)させることが必要だ。こうすることで、どのノードもパフォーマンスのボトルネックにならなくなる。
NVMeを最大限に活用する方法
高速ワークロードは、他の種類のワークロードよりもNVMeを最大限に活用できる可能性が高い。このようなワークロードの課題の一つは、アプリケーションがファイルシステムを使ってストレージにアクセスすることにある。
処理能力が高速のノードとNVMeストレージは、パフォーマンスを向上させる。ただし従来型のファイルシステムは、NVMeストレージ向けにI/Oを最適化していない。そのためこうしたハードウェアの潜在能力を余すことなく引き出すことができない。
この問題を回避するには、OSのI/O関連機能経由ではなく、NVMeストレージに直接書き込むファイルシステムの利用が有効だ。こうしたファイルシステムを使うことで、クライアントがNVMe-oF経由で通信することができ、パフォーマンスのボトルネックにならない方法でメタデータを管理できる。
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「NVMeストレージ」の実力を最大限に引き出す
フラッシュメモリベースのストレージに最適化された高速インタフェース規格の「NVMe」。せっかくNVMe準拠のストレージを導入しても、使い方によってはパフォーマンスを十分に引き出せない可能性がある。その理由と解決策に迫る。
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