AIの医療利用なしに「EHRが診断ミスを防ぐ」という理想は実現しない:AWS、IBM、Microsoft、Googleも医療のAI活用に積極投資
EHR(電子医療記録)は、患者の異常所見を読み取るために必要な機能を万全に備えているとは限らない。人工知能(AI)技術をEHRに組み込むことで、見落としに起因する医療ミスの防止に役立つ可能性がある。
ジョンズホプキンス大学が実施した2016年の調査によると、医療ミスが米国の主な死因の第3位であった。これは懸念すべき統計結果だ。医師はこの事態を改善するためにたゆみなく努力し、病院は医療ミスを削減するために業務プロセスと手順を整備している。一部の病院は、薬を処方するときに潜在的なリスクについての早期警告に関する情報を提供し、新しい臨床意思決定支援システムを導入している。幸いなことに人工知能(AI)ツールは、医師や病院が医療ミスを削減しようと取り組む中で直面する幾つかの課題に対処してくれる。
医師は、患者を治療する前の最初のステップとして、まずカルテを確認する。カルテには患者の病歴や検査結果、医用画像、その他の関連情報が含まれる。合併症を持つ患者は、一般的な症状の患者よりも多くのデータを保有している傾向がある。つまり医師は、合併症を持つ患者の治療を開始する前に、より多くの時間をかけてデータを確認する必要があるということだ。
医師は薬物相互作用やアレルギーなどのよくある問題を見落とさないようにするためにEHR(電子医療記録)を頼りにしている。これは現在の市場に出回っている全てのEHRに期待される機能だ。ただし患者データが増え続けると、EHR単体のデータ分析能力は限界を迎える可能性がある。データを高度に分析したりマイニングしたりするサードパーティー製AIツールの支援なしには患者データを十分に分析できず、予防医療のニーズを満たせなくなるEHRも出てくるだろう。
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