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日本製鉄は「Tableau」で“経営層の誤解を生むレポート”をどう減らしたのか社内普及のヒントも紹介

日本製鉄君津製鉄所は社内データの分析に「Tableau」を活用し、全社に利用を広げようとしている。同社はなぜTableauを選定し、データ分析で直面していた課題をどう解決したのか。その文化をどう広めているのか。

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 日本製鉄の君津製鉄所は、社内データの分析のためにセルフサービスBI(ビジネスインテリジェンス)ツール「Tableau」を導入し、データ分析の効率化を実現した。君津製鉄所でTableauを利用する際の運用体制を整備するだけでなく、全社に対するTableauの利用促進に取り組んでいる。

 本稿は2019年5月に開催されたイベント「Tableau DATA DAY OUT 東京」におけるセッションの内容を基に、君津製鉄所のTableau導入事例を紹介する。

「Excelの限界」をTableauで解消

 日本製鉄が各拠点から収集し蓄積しているデータは多岐にわたる。例えば

  • 受注情報や出荷情報などの営業系データ
  • 圧力や温度といった製品製造プロセスのデータ
  • 輸送工程のデータ

などだ。社内では、自社データセンターを活用したプライベートクラウドにデータ分析システムを構築済みで、個人用端末でデータ抽出や分析ができる環境がある。日々の製品生産量や在庫量などのデータ集計を担当する従業員は、この分析環境を日常的に利用している。

枚田氏
日本製鉄の枚田優人氏

 経営層への報告用レポート作成を担当する従業員は、データ集計のためにデータベースからデータを抽出し、「Microsoft Excel」などの表計算ソフトウェアを使うことが多いという。君津製鉄所の枚田優人氏によると「月当たり50万件以上のデータを集計しなければいけない場合は、Excelの処理能力を超えてしまう」という問題があった。

 それだけの量のデータを品目ごとに日別集計するのはExcelでは難しい。そのため担当者は、月ごとに合算してサマリーレポートを作成し、経営層に提出せざるを得なかった。結果として経営層が詳細な分析をするための情報が不足し「いつ、どの設備を使って、何を生産すべきか正しい判断を下せないことがあった」と枚田氏は語る。

 製造する品種や工程を切り替えるためには「段取り替え」という作業(製造品種や工程の変更に伴って発生する、設備や装置の交換)が必要だ。無駄な段取り替えを発生させず、コストを抑えて製品を生産することが製造業には不可欠だが、「誤った判断により無駄な段取り替えが発生してしまっていた」(枚田氏)という。

 データをより詳細に分析し、かつ効率的に集計できる環境を構築するために、君津製鉄所はセルフサービスBIツールであるTableauを2017年に導入した。

Tableau導入の決め手は2つ

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