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「コンポーザブルインフラ」は「HCI」と何が違う? 注目される理由は:ITインフラの変遷を振り返る
HCIに続くITインフラのアーキテクチャとして「コンポーザブルインフラ」が登場した。これまでのITインフラの変遷を振り返りつつ、HCIとコンポーザブルインフラの違いについて説明する。
ITインフラのアーキテクチャは進化を遂げてきた。例えばサーバ、ストレージ、ネットワークが独立した従来の3層型の他、それら3つの要素を1つの筐体に収めて提供する「コンバージドインフラ」(CI)、ストレージを仮想化する技術を取り入れた「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)などのアーキテクチャがある。さらにこれらのアーキテクチャに基づくインフラを、オンプレミス、クラウド、マルチクラウドで利用できるようにもなっている。
こうしたインフラの分野に、「コンポーザブルインフラ」と呼ばれる新たなアーキテクチャが登場した。これまでに登場してきたアーキテクチャから一歩踏み出したものだ。
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まず、現在定着しているインフラのアーキテクチャについて見てみよう。
- 従来の3層型
- サーバ、ストレージ、ネットワークが独立しているITインフラのアーキテクチャを指す。企業は各リソースを購入し、組み立てて全体のアーキテクチャを設計、構築する。各リソースの管理は個別に実施することになる。
- CI
- 一見したとろ、従来型の3層型のインフラとよく似ている。主な違いは、各リソースの管理のしやすさを重視している点にある。一般的に、CIはラックに収容された1つのユニットとして、すぐに利用できる状態で顧客の元へ出荷される。従来型の3層型のインフラよりも、CIは簡単に導入でき、管理もしやすくなっている。
- HCI
- CIまでとは一線を画すアーキテクチャがHCIだ。サーバ、ストレージ、ネットワークの主要コンポーネントを含むさまざまな要素を1つのアプライアンスに搭載している。同様のアプライアンスを複数ケーブルで接続することで、一つのクラスタを形成できる。アプライアンスの中で運用するコンピューティングリソースは仮想マシンだ。ソフトウェア定義ストレージ(SDS)技術とネットワークが、HCIの構造的な基礎を成す。
コンポーザブルインフラが注目される理由
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