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マサチューセッツ総合病院(MGH)の情報漏えい事故から得られる教訓、足りない透明性:失敗の共有が業界にもたらすメリット
セキュリティ専門家は、マサチューセッツ総合病院(MGH)で2019年6月に発生したデータ漏えいについて「詳細を開示すべきだ」と指摘する。詳細の開示は他の医療機関の役に立つからだ。
マサチューセッツ総合病院(MGH)で2019年6月に発生した医療データ漏えい事件をきっかけに、サイバーセキュリティインシデントが発生した際には透明性が必要であると専門家は強調する。
サイバーセキュリティの専門家は、MGHがデータ漏えいに関して発表した声明ではインシデントの詳細についてわずかな情報しか公開されなかったと指摘する。MGHの神経内科が関与していた研究プログラムで、個人情報の取り扱いに関するインシデントが発生したことを、約1万人の被験者に知らせたことは声明で明らかにされた。同神経内科の研究者が研究のために使用していた2つのアプリケーションに関連するデータベースに、未承認の第三者がアクセスしたという情報も示された。
だが、この声明にはデータ漏えいが発生した原因に関する洞察は含まれていなかった。こうした情報の欠如は、このインシデントから学ぶことができるであろう他の医療機関にとっては損失だ。こう語るのは、サイバーセキュリティ会社CynergisTekでエグゼクティブ・アドバイザーを務める医療IT専門家のデイビッド・ホルツマン氏だ。
「医療機関がサイバーセキュリティインシデントに見舞われたときには、情報を共有して透明性を高めることで、自施設の経験が医療業界全体にもたらすメリットを考えるのが望ましい」(ホルツマン氏)
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