「分離型HCI」とは何か? HCIの原型から進化したポイントは?:新旧「HCI」の違い【後編】
最近のHCIは従来型のHCIとは異なる存在のように見える。その意味するところは何か、従来型と最近のHCIの違いを説明する。
ハイパーコンバージドインフラ(HCI)のベンダー各社は、HCIが登場した当初よりもはるかに多くの要素を最新のHCIの枠組みに持ち込んでいる。
Scale Computingは独自のストレージ管理層を取り入れた「Scale Computing Reliable Independent Block Engine」(SCRIBE)という仕組みを取り入れている。SCRIBEは他のHCI製品と同様のメリットが数多く提供されるが、リソースの典型的なオーバーヘッド(処理にかかる負荷)がごくわずかしかない。
一方、Nutanixの独自のハイパーバイザー「AHV」はHCI市場の最前線にいる。NutanixのHCIは、VMwareのハイパーバイザー「VMware ESXi」とAHVを併用できる。VMwareはストレージ仮想化ソフトウェア「VMware vSAN」でHCI市場において飛躍した。その要素として重要な役割を果たしたのがクラスタの環境を拡張する「Stretched Cluster」のような独自の技術だ。
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Pivot3はユニークなHCIベンダーの1社だ。同社はストレージのパフォーマンスを高めるためにデータパスとしてストレージ接続規格「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)を活用している。Hewlett Packard Enterprise(HPE)のHCI製品「HPE SimpliVity」は、効率性の高いレプリケーションの方法を提供しており、そのデータ削減効果は羨望(せんぼう)の対象となるほどだ。ここまでが従来型のHCIについての説明である。
進化した新タイプのHCIとは
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