「Windows Virtual Desktop」と「Linux仮想デスクトップ」がVDIの“主役”になる?:専門家が占う2020年VDI市場【前編】
2019年、VDI(仮想デスクトップインフラ)市場は大きな変化に見舞われた。2020年もこの状況は続くのだろうか。VDI市場の2020年のトレンドを専門家に予測してもらった。
世界的ロック歌手デヴィッド・ボウイが1971年に発表したヒット曲『Changes』には「turn to face the strange」(向き直って未知なるものに向き合え)という歌詞がある。IT担当者にとっても向き合わなければならない新たな分野が毎年誕生する。仮想デスクトップインフラ(VDI)も例外ではない。
2019年、VDI市場はクラウドとデジタルワークスペースへの注目度の高まりなど、さまざまな変化に見舞われた。Citrix Systems、VMware、Microsoftといった大手VDIベンダーは、各社のVDI製品に新しい管理機能とセキュリティ機能を取り入れた。2019年9月には、MicrosoftがVDI市場の軌跡を変える可能性のある「Windows Virtual Desktop」を携えて、仮想デスクトップをクラウドサービスとして利用可能なDaaS(Desktop as a Service)市場に参入した。
「VDIにとっての2020年は引き続き変化と進化の1年になる」というのが、専門家に共通した見方だ。クラウドとデジタルワークスペースの導入が継続し、とりわけセキュリティへの関心が高まると専門家は予測する。2020年もVDIが変化をもたらすことは間違いない。前後編にわたり、5人の専門家の予測を見ていこう。
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2020年、VDIはクラウド一辺倒になる
ジョー・ハーダー氏(金融機関向けソフトウェアを手掛けるFinastraのクラウドアーキテクト) 2020年、VDIはクラウド一辺倒になるだろう。多くの企業は2019年に概念実証(PoC)や小規模導入という形で慎重な滑り出しを見せた。クラウドが十分安定した状態へと成長するにつれて、今後はより大規模な導入が主流になる。
VDIに関して様子見をしていた企業にとって、2020年はユーザー企業がクラウドにVDIをホストして自ら管理する「クラウドホスト型VDI」のメリットがさらに明らかになるだろう。ただしDaaSのWindows Virtual Desktopがリリースされたことで、クラウドホスト型VDIに移行すべきかどうか再検討する企業が出始めた。
LinuxベースのVDIの人気が急上昇か
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