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「個人健康記録」(PHR)はなぜ必要か? これまでの医療IT政策との違いは?0.5歩先の未来を作る医療IT

患者が自身の健康医療情報を管理する「個人健康記録」(PHR)の普及に向けて、厚生労働省が検討会を設置しました。政府がPHR普及を後押しする意図は何なのでしょうか。

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 「個人健康記録」(PHR:Personal Health Record)とは、個人が健診結果や服薬歴などの情報を、アプリケーションやWebサイトなどを利用して、電子記録として管理する仕組みです。かつて2012年ごろに神奈川県が「マイカルテ」構想(カルテを電子情報にしてクラウドに保管し、患者自身が管理する取り組み)を推進し、他の都道府県でも同様の構想が立ち上がっていました。こうした取り組みの延長線として、政府は本格的にPHRを構築し普及させようとしています。

 政府はPHRについて、2019年6月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太方針2019)で具体的な稼働開始時期を提示しています。骨太方針2019によると特定健診(特定健康診査)の情報は2021年3月、薬剤情報は2021年10月をめどに「マイナポータル」(社会保障・税番号「マイナンバー」を使った行政手続きをするための、政府が運営するWebサービス)を通じて提供することになっています。

 このマイナポータルが、国内のPHRに相当します。政府はこれらのサービスを通じて予防・健康づくりの取り組みが前進することを期待しています。骨太方針2019はマイナポータルの目的とプロジェクトの計画について次のように説明しています。

生まれてから学校、職場など生涯にわたる健診・検診情報の予防等への分析・活用を進めるため、マイナポータルを活用するPHRとの関係も含めて対応を整理し、健診・検診情報を2022年度を目途に標準化された形でデジタル化し蓄積する方策をも含め、2020年夏までに工程化する。

「PHR」が必要な理由

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