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医療用品メーカーがデータ活用システム構築で直面した「変化への恐怖」とは?サプライチェーン管理を変えるデータ活用【後編】

医療用品メーカーPaul Hartmannは、サプライチェーン管理を効率化し需要予測の精度を高めるために、データを活用した予測システムを構築した。新システムを取り入れる際に、同社が直面した課題とは。

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 医療用品メーカーのPaul Hartmannは、ビッグデータ活用に向けたSAPのデータ統合ソフトウェア「SAP Data Hub」を基盤とする予測システムを導入し、40年利用してきたSAPのERP(統合業務)製品と連携させた。SAP Data Hubは、データソースからデータを抽出することなく、さまざまなソースのデータを連携できる。数カ月間の試験運用の際、同社の販売データの全記録データを分析するために人工知能(AI)技術を用いたところ、販売スタッフの予測よりも優れた予測が得られたという。

 Paul Hartmannには200年に及ぶ製品の販売実績があり、販売チームには豊富な知識や経験がある。だがSAP Data Hubを基盤とした予測システムの予測は「当社の販売チームの予測よりも優れていた」と、Paul Hartmannで最高情報責任者(CIO)兼最高データ責任者(CDO)を務めるシナヌディン・オマーホジック氏は説明する。これは同社にとって大きな気付きであり「当社のデータについてさらに学び、もっと多くのデータを取り込み、それがビジネスモデルの改善や新しいモデルの作成にどのような効果があるかを確かめる必要があると考えた」とオマーホジックは語る。同社は現在、その作業に取り組んでいるところだ。

 こうしてPaul Hartmannは積極的にSAP Data Hubを利用し始めた。ただし新しい技術を導入しただけでは順風満帆にいかない。

変化に対する“拒否反応”にどう対処するか

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