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「クラウドデータベース」選びで見落としてはいけない5大ポイント:クラウドデータベースの選び方【第2回】
クラウドベンダーはさまざまな種類の「クラウドデータベース」を提供している。自社にあったクラウドデータベースを選定するには、どのような基準で評価すればよいのか。
オンプレミスのインフラで稼働させているシステムをクラウドサービスに移行させるときは、移行によって生じるマイナスの影響を小さくするクラウドサービスを選ぶ必要がある。第1回「『クラウドデータベース』が売れる理由 DBMS市場の7割超えへ」で紹介した「クラウドデータベース」も同様だ。クラウドデータベースは、データベース管理システム(DBMS)の機能を利用可能なクラウドサービスを指す。
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クラウドデータベース移行のポイント
クラウドデータベースの評価ポイント
クラウドデータベースの選定には、以下の評価ポイントを重視するとよい。
- アプリケーションのインフラ
- DBMSを利用するアプリケーションを単一のクラウドサービスで稼働させるのか、オンプレミスのインフラに構築したプライベートクラウドや他のクラウドサービスと組み合わせて稼働させるのかを考慮する。
- データベースの種類
- クラウドデータベースが採用するDBMSには、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)や分散データベース(DDB)、NoSQL、列指向データベース管理システム(カラム型データベース)などがある。時系列データベース(TSDB)や量子元帳データベース(QLDB)のような、特定の用途に利用するためのDBMSを採用したクラウドデータベースもある。
- 必要なパフォーマンスと容量
- 単位時間当たりに処理可能なトランザクション数やクエリのレイテンシ(遅延)、スループット(単位時間当たりのI/O処理量)、容量の拡張性はクラウドデータベースによって異なる。
- 可用性と耐久性
- これらはインスタンス(論理的なデータベースの単位)の複製や同期が必要かどうかを左右する。
- 設定変更の自由度
- DBMSの設定や構成を、IT部門がどの程度制御する必要があるかを確認する必要がある。アプリケーションが特定バージョンのDBMSを利用する必要があるかどうかも確認しておいた方がよい。
Amazon Web Services、Microsoft、Googleなど大手ベンダーのクラウドサービスのユーザー企業は、各クラウドサービスの仮想マシン(VM)に自らDBMSを構築して稼働させるよりも、各ベンダーが提供するクラウドデータベースを利用する方がより速く運用を始められる。
第3回に当たる次回は、クラウドデータベースを選ぶべき企業の特徴を説明する。
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