知っておきたいGoogle Cloud Platformのサービス5選【後編】
「Google Cloud Platform」(GCP)で要注目のログ監視ツールとNoSQLデータベースとは
GCPは数多くの機能を備えている。本稿はその中から、ログの監視機能「Access Transparency」と、2つのNoSQLデータベース「Cloud Firestore」「Firebase Realtime Database」について説明する。
Googleは「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」と同様、「Google Cloud Platform」(GCP)でクラウドにおけるアプリケーションの開発・運用に役立つ各種サービスを提供している。前編「GCPのIaC『Cloud Deployment Manager』とハイブリッドクラウド『Anthos』とは?」に続き、本稿はGCPで利用できるサービスの中から、GCPのログを監視する「Access Transparency」と、2つのNoSQLデータベース「Cloud Firestore」「Firebase Realtime Database」を説明する。
Access Transparency
「Access Transparency」はGCPのログをユーザーが確認できるサービスだ。ここ数年、クラウドを利用するユーザーの間で透明性に対する関心が高まっている。自社のアプリケーションを動作させるインフラを、クラウドベンダーがどのように管理しているかを知りたいと考えるユーザーは少なくない。
ユーザーはAccess Transparencyを使用して、自社のサービスアカウントに関連するGCP内部のログを監視できる。ログには、特定の顧客の利用環境において発生した問題を解決するために、Googleの管理担当者が実行したことが詳細に記録される。現在、Access Transparencyでログ監視できるGCPのサービスは下記の6つだが、対象サービスは順次追加される可能性がある。
- 仮想マシン「Google Compute Engine」(GCE)
- アプリケーション構築サービス「Google App Engine」
- オブジェクトストレージ「Google Cloud Storage」
- ブロックストレージ「Persistent Disk」
- 暗号鍵管理サービス「Cloud Key Management Service」(Cloud KMS)
- ID管理ツール「Cloud Identity and Access Management」
Access TransparencyはGoogleが実施するメンテナンス作業の監視に役立つだけでなく、GCPで運用しているシステムの監視にも有益なサービスだ。ユーザー企業のGCP管理者はAccess Transparencyのログを既存のイベント管理ツールやセキュリティ対策ツールに取り込んで確認できる。
ユーザーはGoogleを含むクラウドベンダーにさらに高い透明性を求めているが、すぐに実現するものではない。現在のクラウドベンダーにとっての最優先事項はセキュリティだ。セキュリティを損なうことなく、ユーザーが求める情報を提供する方法を確立するには時間がかかる。Access Transparencyは、ユーザーとベンダーの双方が納得する落としどころを見つけるための一歩だ。
NoSQLデータベース「Cloud Firestore」と「Firebase Realtime Database」
大量の非構造化データを扱う各種アプリケーションにとって、NoSQLデータベースは重要な存在だ。GoogleはモバイルアプリケーションやWebアプリケーション開発用に、各種NoSQLデータベースサービスを提供している。「Firebase Realtime Database」と「Cloud Firestore」はその一つだ。
Firebase Realtime Databaseは、JSON形式でデータを格納して、接続するクライアントとのリアルタイムのデータ同期が可能だ。開発者は、「iOS」「Android」などのOS、「JavaScript SDK」や「REST API」で動作するアプリケーションにFirebase Realtime Databaseを使用することができる。Firebase Realtime DatabaseはデータをJSON形式のツリー構造で保存するため、シンプルなデータを使用するのに適している。階層的にデータを処理できないため、大容量のデータには不向きだ。
一方のCloud Firestoreは複雑な構造のデータを扱うアプリケーションに適している。Cloud FirestoreはFirebase Realtime Databaseより新しいデータベースサービスで、機能の数が多い。「Node.js」「Java」「Python」「Go SDK」などの開発環境でも利用できる。
どちらのデータベースサービスを使用するかを判断する際は、スケーラビリティ(拡張性)と信頼性の要件が大きく左右するだろう。スケーラビリティの観点では、Firebase Realtime Databaseが単一リージョンのアベイラビリティゾーンで利用するサービスであるのに対し、Cloud Firestoreは複数のリージョンで利用可能だ。制限の観点で比較すると、Cloud Firestoreの同時最大接続数は1データベース当たり100万件で、1秒間に1万回の書き込み制限がある。Firebase Realtime Databaseの同時最大接続数は1データベース当たり10万件で、1秒間に1000回の書き込み制限がある。
スケーラビリティと信頼性で比較するとCloud Firestoreに軍配が上がる。一方、処理速度で比較した場合、Firebase Realtime Databaseの方がCloud Firestoreよりも性能が高い。どちらか1つのデータベースサービスを選ぶのが難しい場合、開発ツール群「Firebase」の開発者は同じプロジェクトで両方のデータベースを使用することも可能だ。
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