「セルフサービス分析」市場は今【前編】
「拡張分析」とは? セルフサービス分析を変える新たな技術
全社的なデータ分析の浸透に重要な役割を果たす「セルフサービス分析」は、着実に進化している。最近の注目技術である「拡張分析」は、セルフサービス分析にどのような影響をもたらすのか。専門家に聞いた。
「セルフサービス分析」は、現代企業のニーズを満たすべく進化している。静的レポートを実行したり、単にデータを視覚化したりするだけではない。エンドユーザーが自然言語で検索できるようにするなど、データ操作を一段と容易にした。そうして生成される結果は、ナレーション付きのデータ視覚化という形を取り、文字通り自らについて語る。セルフサービス分析市場の現在の概要と、あらゆる企業がこの市場に関心を持つべき理由を解説する。
セルフサービス分析は「市民データサイエンティスト」とも呼ばれるパワーユーザーと関係がある。セルフサービス分析の概念は、2005年ごろに「セルフサービスレポート」と共に登場した。そのきっかけは、事業部門がIT部門からカスタムレポートを受け取るのを待ちくたびれたのが理由だった。逆にIT部門にとってもセルフサービス分析の実現は、一度限りのレポートを生成するよりもやりがいのある作業だった。
さまざまな組織が相変わらず定期レポートを必要としている。一方でビジネスのペースが加速しているため、より迅速かつタイムリーに重要な情報にアクセスできる対話型のダッシュボードが求められている。セルフサービスレポートと同様、セルフサービス分析ではエンドユーザーが疑問点への答えを独力で見つけることができる。
「拡張分析」がセルフサービス分析を変える
最近、ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダー各社は、自然言語理解(NLU)と自然言語生成(NLG)の技術を搭載して自社ツールを最新化している。NLU技術は、エンドユーザーが自然言語で質問できるようにする。そのためエンドユーザーはクエリ言語を知る必要がない。NLG技術は、データの視覚化を説明テキストで補う。
機械学習などのAI技術を組み込んだ、こうしたデータ分析の新技術を総称して「拡張分析」と呼ぶ。機械のインテリジェンスによって人のインテリジェンスを拡張するためだ。
調査会社Forrester Researchのバイスプレジデント兼シニアアナリスト、ボリス・エベルソン氏は「数年前の時点で、既存のコンテンツを操作するセルフサービス機能はほぼ整っていた」と話す。だが新しいレポートを作成する必要があるときは、その作業は専門家の領域だった。特に新しいデータソースに接続する新しいダッシュボードを作成する場合は、専門家に任せるしかなかったのだ。最新のBIツールは「IT担当者以外でも全く新しいコンテンツを作成可能になっている」とエベルソン氏は説明する。
セルフサービス分析の新たな技術である拡張分析は、比較的素早く簡単にデータを理解する方法を提供する。実際、拡張分析は、Gartnerが2020年に発行したベンダー評価レポート「Magic Quadrant」(マジック・クアドラント)のアナリティクス/BI版に影響を及ぼしている。同社のバイスプレジデントアナリスト兼フェローのリタ・サラム氏は「2007年に当社が定義したセルフサービスの考え方から大きく進化しているのは間違いない」と主張。拡張分析、使いやすさ、自然言語処理がそれぞれ進化したことがその要因だと述べる。
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