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「テープ時代の再来」が誇張ではない理由 LTOは360TBも視野に:新世代テープ規格「LTO-9」のインパクト【後編】
テープの新規格「LTO-9」は、データの長期アーカイブやサイバー攻撃対策としての用途が期待できる。LTO-9の特徴とともに、進化を続ける「LTO」の今後の動向を確認しよう。
テープ規格「LTO」(リニアテープオープン)の新世代「LTO-9」は、前世代「LTO-8」の特徴を引き継いでいる。ハードウェアベースのデータ暗号化やWORM(Write Once Read Many:1度だけの書き込み、多数回の読み取り)機能に加えて、HDDでも広く採用されているファイルシステム「LTFS」(リニアテープファイルシステム)を利用可能といった特徴を備える。LTO-8のカートリッジとのデータ読み書きは完全互換となっている。
データの転送速度は「LTO-8の非圧縮時の毎秒360MBより10%の向上を見込んでいる」と、LTOを策定する1社であるIBMのテープオファリングマネジャー、カルロス・サンドバル・カストロ氏は説明する。調査会社Enterprise Strategy Group(ESG)のビニー・チョインスキー氏は「テープのストリーミング(データを記録するためにテープを流すこと)は速い。テープでもHDDとほぼ同じことができるという認識が広がりつつある」と語る。
「テープ時代」再来か
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