物理サーバと仮想サーバを比較する【後編】
「物理サーバ」と「仮想サーバ」のどちらを選べばよいのか?
仮想サーバでアプリケーションを動かすことは珍しくなくなった一方で、物理サーバでアプリケーションを動かすことが時代遅れになったわけではない。物理サーバと仮想サーバのどちらを選べばよいのか。
複数の物理サーバの役割を単一の物理サーバに集約できるメリットが、サーバ仮想化技術の普及を後押しした。別の物理サーバへアプリケーションを移行させたり、DR(災害復旧)を実施したりすることが比較的容易である点も、サーバ仮想化のメリットだ。
ある物理サーバで稼働する仮想サーバを、他の物理サーバに無停止で移行させるライブマイグレーション技術が誕生すると、サーバ仮想化のメリットは一層大きくなった。IT管理者はアプリケーションを中断することなくハードウェアを交換したり、新しく用意したりすることで、ボトルネックを排除できるようになった。
結局、物理サーバと仮想サーバのどちらを選べばよいのか
ハイパーバイザーのライセンス料金や従業員のスキル育成などの要素を踏まえると、初期コストは物理サーバよりも仮想サーバの方が高くつくように見える。注意する必要があるのは、仮想サーバを利用することで、物理サーバの台数を削減できる点だ。長期的に見るとハードウェアの1回目の定期交換が必要になるタイミングで、仮想サーバによるコストの削減効果が明らかになる。
仮想サーバがもたらす価値についても検討する必要がある。これまでにMicrosoftの「Hyper-V」やオープンソースの「Xen」「KVM」(Kernel-based Virtual Machine)などさまざまなハイパーバイザーが登場し、競争激化に伴ってハイパーバイザーの機能は洗練されてきた。その結果、サーバ仮想化は企業システムにとって必須の技術となった。ハイパーバイザーの持つ運用管理の自動化機能を生かすことができれば、物理サーバよりも仮想サーバの方がシンプルで高速にシステムを実装できる。
1つのアプリケーションに全てのハードウェアリソースを使用したいときは、物理サーバを使用するのが一般的だ。例えば64個のCPUコアと32TB(テラバイト)のメモリ、100Gbpsのイーサネットといった高性能なサーバを必要とするアプリケーションを稼働させる場合、その性能を備えた専用の物理サーバで運用することが合理的だと考えられる。一方で十分な性能を持った仮想サーバを運用できるハイパーバイザーを利用している場合、一括管理やアプリケーション移行の容易さといった仮想サーバのメリットが、オーバーヘッドによるデメリットをしのぐこともある。
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