意思疎通のためのセキュリティ用語集【第1回】
「セキュリティ用語」をあいまいな理解で使ってはいけない“納得の理由”
セキュリティ用語にはさまざまな意味を持つものがある。あいまいなままセキュリティ用語を使うとどのような不都合が生じるのか。
「侵入テスト」(ペネトレーションテスト)という言葉を聞いて何を思い浮かべるだろうか。システムスキャンツールを用いたWebアプリケーションのテストだろうか。それとも攻撃者の行動を人手で再現するテストだろうか。
「ネットワーク侵入テスト」はどうだろうか。ネットワークインフラの動作の自動検出に基づいて、自社のIT資産に関する報告書を作成することだろうか。人がネットワークの構造を調べて脆弱(ぜいじゃく)性を洗い出すことだろうか。
「セキュリティ用語」の“正しい理解”がなぜ必要か
これらの答えは、質問する人次第でいずれも正解になり得る。問題はそれだ。
セキュリティ分野は用語の標準化が進んでいない。独立系のセキュリティ専門家にとっても、企業に所属するセキュリティ専門家にとっても混乱を引き起こしている。
企業にとっての課題は、自分たちのセキュリティニーズに合ったサービスを探し出し、料金を確認し、相手のセキュリティ専門家の話を理解することにある。一方セキュリティ専門家にとっての課題は、企業がセキュリティ目標を達成するために何を必要とし、何を期待しているのかを把握することにある。
特にコンプライアンスを重視する業種では、セキュリティ用語を正しく理解することは必須だと言える。規制の内容次第で企業が実施しなければならないアセスメント(評価)の種類が決まるからだ。
そうした考え方を念頭に、本連載は侵入テストを中心とした用語にまつわる混乱の解消を目指す。連載で解説する用語は以下の通りだ。
- アドバーサリーシミュレーション
- セキュアコードレビュー
- アプリケーションテスト
- ネットワークテスト
- クラウドテスト
- ホストベーステスト
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